この記事のポイント
- オフの補強はベテランのハリスとバーンズ。若い主力には手を付けなかった。
- 攻守ともリーグ上位。弱点はウェンバンヤマが休む時間のゴール下にある。
- 今季はぜいたく税のラインの手前。延長が始まる来季から、お金の余裕は小さくなる。
- カギは2年目のハーパーと、先発の座を争うフォックス。
- 予想は59勝前後で西の2位。サンダーとの差はほとんどない。
数字で見る昨季のスパーズ
レギュラーシーズンの勝利数(20敗)。西の2位
攻撃の効率(100回の攻撃あたりの得点)。ESPNの集計
守備の効率(100回の攻撃あたりの失点)。ESPNの集計
ファイナルでニックスに敗れた
62勝で西を勝ち抜き、ファイナルで止まった
2025-26のスパーズは、62勝20敗だった。西ではサンダーに次ぐ2位になる。
その前の年は34勝48敗で、プレーオフにも出ていない。1年で28勝も増やしたことになる。
プレーオフは、1回戦でトレイルブレイザーズを4勝1敗で下した。2回戦はティンバーウルブズに4勝2敗で勝った。
西の決勝では、前年王者のサンダーと第7戦までもつれた。5月30日の第7戦に勝ち、ファイナルへ進んだ。
ファイナルの相手はニックスだった。第4戦では29点差をひっくり返され、1勝4敗で敗れた。
個人の賞も集まった。ビクター・ウェンバンヤマは、史上初の満票で最優秀守備選手に選ばれた。ケルドン・ジョンソンは82試合すべてに控えで出て、シックスマン賞を取った。スパーズでは2008年のジノビリ以来になる。
補強はベテラン2人、若い主力はそのまま
このオフ、スパーズは主力をほとんど動かさなかった。ウェンバンヤマ、デアロン・フォックス、ステフォン・キャッスル、ディラン・ハーパーはそろって残る。
新しく来た主な選手は、ピストンズにいたトバイアス・ハリスだ。2年3,100万ドルで加わった。34歳で、今季がNBAの16年目になる。
ハリスは身長203cmで、点も取れて守備でも体を張れる。先発のパワーフォワードに入るのか、控えに回るのかは、報道が分かれている。
ハリソン・バーンズとは1年800万ドルで結び直した。ジュリアン・シャンパニーも残留が決まった。
ドラフトでは、1巡目20位でジェイデン・クエインタンスを指名した。ただ7月に右ひざの手術を受けており、開幕には間に合わない。26位ではセンターのタリス・リード・ジュニアを取った。
2巡目のジャコビ・ギレスピーとマリーク・ブラウンは、ツーウェイ契約で加わった。どちらもGリーグとの行き来から、出番をうかがう。
コーチ陣も変わった。ブルズでHCを務めたビリー・ドノバンが、アシスタントコーチに加わった。一方で、ショーン・スウィーニーはマジックのHCになって去った。
7月には、ウェンバンヤマが5年約2.52億ドルの延長を結んだ。年俸の上限を30%まで上げる道もあったが、25%を選んだ。その差の5,000万ドル以上を、周りの補強に回せる形だ。経緯は「ルーキー延長の期限まで2週間」で書いた。
このオフに来た選手・残った選手
攻守ともリーグ上位、心配はゴール下の控え
昨季の攻撃の効率は、ESPNの集計でリーグ4位だった。守備の効率は3位で、攻守とも5位以内に入ったのは、サンダー、セルティックスと合わせて3チームだけだ。
守備の中心は、もちろんウェンバンヤマだ。昨季は64試合に出て、平均3.1ブロックを記録した。攻撃でも平均25.0点、11.5リバウンドを残している。
心配なのは、ウェンバンヤマがベンチに下がる時間だ。控えのセンターはルーク・コーネットで、NBA.comはファイナルで苦しんだと伝えている。新人のリードが、その座を争う。
ウェンバンヤマの周りには、外から決められる選手もそろう。バッセルは3ポイントを38.4%、シャンパニーは38.1%決めた。バーンズも38.8%で、3人とも4割に近い。
今季の総年俸は約1億9,828万ドルだ。円にすると約313億円になる(1ドル=158円)。ぜいたく税のラインまで、約215万ドルを残して収まった。内訳はスパーズの年俸一覧で見られる。
いちばん高いのはフォックスの約4,949万ドルで、デビン・バッセル、ケルドン・ジョンソンと続く。この3人で総額の48%になる。
ウェンバンヤマは約1,687万ドルで、チームで4番目にとどまる。新人契約の最後の年だからだ。来季から始まる延長は、平均すると年5,000万ドルを超える。
今の顔ぶれのまま来季を迎えれば、税のラインを超える計算になる。主力をそろえたまま、税を払わずに戦えるのは今季が最後かもしれない。仕組みは「ぜいたく税ラインを超えた13チーム」で整理した。
スパーズの今季の年俸の総額のうち、上位3人の分
- フォックス25%
- バッセル14%
- K・ジョンソン9%
- ほかの11人52%
カギはハーパーと、フォックスの立ち位置
1人目のカギは、2年目のディラン・ハーパーだ。2025年のドラフト2位で、昨季は69試合で平均11.8点だった。
本領を見せたのはプレーオフだ。23試合で平均14.1点、5.6リバウンドと数字を伸ばした。NBA.comは、ファイナルではハーパーが最も頼れる選手だったと書いている。
今季は、控えから先発に上がれるかが注目される。このサイトのアワード予想では、シックスマン賞の本命に挙げた。
2人目はデアロン・フォックスだ。昨季は72試合で平均18.6点、6.2アシストだった。年俸はチームでいちばん高い。
ただ、ファイナルでは思うように点を取れなかった。ESPNによると、先発のポイントガードをフォックスとハーパーのどちらにするかは、HCが内容を見て決めるという。
もう1人の柱が、3年目のステフォン・キャッスルだ。昨季は平均16.7点、7.4アシストまで伸びた。NBA.comは、初めてのオールスター入りもあると見ている。
控えの得点役は、今季もケルドン・ジョンソンだ。昨季は平均13.2点を挙げた。控えだけで1シーズン1,000点を超えたのは、スパーズで初めてだった。
ハーパーが先発に回れば、控えの得点はさらにジョンソンに頼ることになる。誰を先発に置くかで、ベンチの厚みも変わってくる。
ガード3人が同時にコートに立つ時間を、どう使うか。ウェンバンヤマの周りの攻撃の形が、今季の大きなテーマになる。
予想は59勝前後、西の2位
今季の勝利数の目安は、BetMGMで59.5勝だった。DraftKingsでは60.5勝で、サンダーに次いで30チームで2番目に高い。
このサイトの予想は、59勝23敗前後で西の2位だ。ウェンバンヤマが元気なら、攻守の土台は昨季と変わらない。
昨季の62勝より少し下に置いたのは、ゴール下の控えが薄いからだ。ハリスは34歳で、新人のクエインタンスもしばらく出られない。
開幕戦は10月20日(現地)、ホームでのサンダー戦だった。104対116で敗れ、ウェンバンヤマはシュートを13本中1本しか決められなかった。それでも6ブロックは記録している。
大きな山は、12月25日のニックス戦だ。昨季のファイナルの再戦になる。その前の10月31日には、昨季の2回戦で倒したティンバーウルブズと当たる。2月28日には、ナゲッツをホームに迎える。
日程と順位はスパーズのチームページで追える。東西の順位予想は「2026-27シーズンの順位予想」にまとめた。ウェンバンヤマの守備は「ウェンバンヤマはもう“史上最高のディフェンダー”なのか?」で考えた。同じ西のライバルは「サンダーの2026-27シーズンの見どころ」にまとめた。30チームの顔ぶれは「2026-27シーズン開幕前:30チームの注目ポイントまとめ」で確認できる。
今季のスパーズの勝利数の予想
参考にした情報源
- NBA.com:2026-27 Season Preview: San Antonio Spurs
- ESPN:San Antonio Spurs offseason recap, early 2026-27 season preview
- Fantasy Alarm:San Antonio Spurs 2026-27 Season Preview
- Fox San Antonio:Spurs add veteran forward Tobias Harris on two-year deal
- ESPN:Hollinger NBA Team Stats 2025-26
- StatMuse:Spurs player stats 2025-26 regular season
- KSAT:Spurs' Keldon Johnson honored as NBA's Sixth Man of the Year
- Wikipedia:2026 NBA Finals
- Newsweek:Spurs announce injury news for rookie Jayden Quaintance
- NBC Boston:Thunder roll past Spurs 116-104 in first matchup since conference finals defeat
