この記事のポイント
- ドート、ジョー、ウィギンスを出し、使えるお金の上限の手前に収めた。穴は新人と若手で埋める。
- 守備は今季もリーグ屈指。課題は、西の決勝で止まった攻撃のほうにある。
- 主力3人の年俸がそろって4,000万ドル台に乗り、総額の6割近くを占める。
- カギは、けがから戻るジェイレン・ウィリアムズと、控えの柱になったアジェイ・ミッチェル。
- 予想は60勝前後で西の1位。ただし、スパーズとの差はほとんどない。
数字で見る昨季のサンダー
レギュラーシーズンの勝利数(18敗)。西の1位
守備の効率(100回の攻撃あたりの失点)
攻撃の効率(100回の攻撃あたりの得点)。ESPNは5位、StatMuseは7位
西の決勝でスパーズに敗れた
64勝でも、ファイナルには届かなかった
2025-26のサンダーは64勝18敗で、西の1位だった。平均の得失点差は11.1点で、NBAの歴史でも8番目に大きい。
主役は今年もシェイ・ギルジャス=アレクサンダー(SGA)だ。68試合で平均31.1点を挙げ、2年連続でMVPに選ばれた。
HCのマーク・デイグノールトは、今季で7年目になる。2024年には最優秀HCに選ばれた。主力もHCも変わらないことは、それだけで強みだ。
プレーオフは、1回戦でサンズ、2回戦でレイカーズにともに4連勝した。ところが西の決勝で、スパーズに3勝4敗で敗れる。第7戦は5月30日だった。
実はレギュラーシーズンでも、スパーズには1勝4敗と分が悪かった。今季の目標は、スパーズを越えて王座を取り返すことに尽きる。
ドート、ジョー、ウィギンスが去った
このオフ、サンダーは控えを支えてきた3人を手放した。まずドラフトの前に、アーロン・ウィギンスをホークスへ出した。
6月にはアイザイア・ジョーをピストンズへ送った。ジョーは昨季、平均11.1点で3ポイントは42.3%と、キャリア最高の1年だった。
7月には守備の要だったルー・ドートも、3チーム間のトレードでホークスへ移った。3つのトレードで得たのは、2巡目の指名権7つだけだ。
ドートは長く、相手のエースを止める役を担ってきた。その役は今季から、ウォレスやカルーソが引き継ぐことになる。
狙いは、使えるお金の上限(2ndエプロン)を超えないことだった。超えると補強の手段が大きく縛られる。主力を長く抱えるための判断と言える。
一方で、センターのアイザイア・ハーテンシュタインとは3年7,500万ドルで結び直した。2,850万ドルの球団オプションを断り、今季の負担を軽くした形だ。
ベテランのアレックス・カルーソも残った。ケンリッチ・ウィリアムズは1年契約で、サンダーでの7シーズン目に入る。
新しく加わったのはドラフト組だ。1巡目12位のアダイ・マラ、同じ1巡目のベネット・スターツが入った。2年目以降の若手と合わせ、出番を争う。
このオフに出た選手・来た選手
守備は1位、止まったのは攻撃
昨季の守備の効率は、ESPNでもStatMuseでもリーグ1位だった。NBA.comは、リーグ平均との差が過去30年で2番目に大きいと伝えている。
守備の柱は、チェット・ホルムグレンだ。昨季は平均1.9ブロックを記録し、最優秀守備選手の投票で2位に入った。ハーテンシュタインと並ぶ大きな2人が、ゴール下を固める。
攻撃の効率は、ESPNの集計で5位、StatMuseで7位だった。悪くはないが、守備ほど飛び抜けてはいない。
その差が出たのが西の決勝だ。スパーズに負けた4試合では、100回の攻撃あたり95.8点しか取れなかった。SGAが止められると、ほかに点を取れる選手が少ない。ドートとジョーが抜けた今季は、なおさら気になる点だ。
今季の総年俸は約2億1,428万ドルだ。円にすると約339億円になる(1ドル=158円)。1stエプロンは超えたが、2ndエプロンまではまだ約740万ドル残る。内訳はサンダーの年俸一覧で見られる。
その58%を、ホルムグレン、ジェイレン・ウィリアムズ、SGAの3人が占める。ホルムグレンとウィリアムズは、今季から5年の大型延長が始まった。SGAの額が抑えめなのは、2022年に結んだ延長が今季まで続くためだ。
10月にはケイソン・ウォレスとも5年1.39億ドルで延長した。昨季はオールディフェンシブ2ndチームに選ばれ、スティールの数はリーグ最多だった。来季からは、お金の面でさらに苦しくなる。仕組みは「NBAの2ndエプロンとは?」で解説している。
サンダーの今季の年俸の総額のうち、主力3人の分
- ホルムグレン19%
- J・ウィリアムズ19%
- ギルジャス=アレクサンダー19%
- ほかの11人42%
カギはジェイレン・ウィリアムズとミッチェル
1人目のカギは、ジェイレン・ウィリアムズだ。2年前は平均21.6点を挙げ、オールスターとオールNBA3rdチームに選ばれた。
ところが昨季は、33試合しか出られなかった。右手首の手術で開幕から19試合を休み、その後も太もも裏を何度も痛めた。3ポイントは29.9%に落ちている。
プレーオフでも1回戦で太もも裏を痛め、西の決勝まで戻れなかった。SGAの次に点を取れる選手が元に戻れば、昨季の攻撃の弱さはかなり消える。
2人目は、3年目のアジェイ・ミッチェルだ。昨季は57試合で平均13.6点、3.6アシストを残した。
チームはミッチェルが出た試合で50勝7敗、出なかった試合は14勝11敗だった。プレーオフでも、出た試合は10勝1敗だった。ふくらはぎを痛めて欠けた西の決勝の残り4試合は、1勝3敗に終わっている。
控えの得点役として、ジャレッド・マケインも見ておきたい。2月に76ersから加わり、サンダーでは30試合で平均10.4点だった。マケインはサンダーで、3ポイントを39.1%決めた。ジョーに代わる外の打ち手として期待がかかる。ドートとジョーが抜けた分、ミッチェルやマケインの出番は確実に増える。
ホルムグレンの攻撃も気になる。昨季は平均17.1点、8.9リバウンドだった。ところが西の決勝では平均10.7点に落ち、3ポイントは27%に沈んだ。NBA.comは、序盤に自信を取り戻せるかをカギに挙げている。
予想は60勝前後、西の1位
今季の勝利数の目安は、DraftKingsで62.5勝と30チームで最も高い。2番目はスパーズの60.5勝で、この2チームだけが60勝を超えると見られている。
ESPNの専門家の予想でも、サンダーとスパーズが優勝候補の上位に並んだ。東の王者ニックスは、その次の3番手だった。
このサイトの予想は、60勝22敗前後で西の1位だ。守備とSGAがいる限り、大きく崩れることはない。
ただ、昨季の64勝よりは少し下に置いた。控えの3人が抜けた分、主力が休む試合で勝ち星を落としやすくなる。ウィリアムズが1年を通して出られるかも、まだ分からない。
スパーズとの差はほとんどない。開幕は10月20日(現地)、敵地でのスパーズ戦で、日本時間では21日の朝になる。昨季の西の決勝の再戦から始まる1年だ。
日程と順位はサンダーのチームページで追える。東西の順位予想は「2026-27シーズンの順位予想」にまとめた。SGAの得点の取り方は「SGAのフリースローは“ずるい”のか?」で考えた。30チームの顔ぶれは「2026-27シーズン開幕前:30チームの注目ポイントまとめ」で確認できる。
今季のサンダーの勝利数の予想
参考にした情報源
- NBA.com:2026-27 Season Preview: Oklahoma City Thunder
- Wikipedia:2026 NBA playoffs
- StatMuse:Thunder offensive rating and defensive rating rank 2025-26
- ESPN:Hollinger NBA Team Stats 2025-26
- StatMuse:Thunder player stats 2025-26 regular season
- Daily Thunder:Thunder extend Hartenstein, trade Joe
- NBA.com:Hawks trade for Lu Dort in 3-team deal with Thunder, Mavericks
- Hoops Rumors:Cason Wallace, Thunder Finalize Five-Year Extension
- ESPN:Sixers deal Jared McCain to Thunder for 4 draft picks
- SI:NBA win total predictions for every team in 2026-27 season
