この記事のポイント
- このオフの大きな変化は1つだけ。ロビンソンが去り、33歳のドラモンドを1年で迎えた。
- 攻撃はリーグ3位前後、守備は7位。年俸の78%は主力4人に集まり、使えるお金の上限までは約330万ドルしかない。
- カギは、延長交渉が止まったままのタウンズと、2番目の高給選手になったアヌノビー。
- 予想は54勝前後で東の1位。ただし2017-18のウォリアーズを最後に、連覇したチームは出ていない。
数字で見る昨季のニックス
プレーオフの成績。53年ぶりの優勝
レギュラーシーズンの勝利数(29敗)。東の3位
攻撃の効率(100回の攻撃あたりの得点)。ESPNは2位、StatMuseは3位
守備の効率(100回の攻撃あたりの失点)
53勝から、プレーオフは16勝3敗
2025-26のニックスは53勝29敗で、東の3位だった。マイク・ブラウンHCの1年目で、レギュラーシーズンは東の上位の1つという位置づけだった。
流れが変わったのはプレーオフだ。1回戦でホークスを4勝2敗で下すと、2回戦の76ers、東の決勝のキャバリアーズにはともに4連勝した。
ファイナルの相手は、ウェンバンヤマのスパーズだった。第4戦では29点差をひっくり返して勝ち、4勝1敗で決着した。プレーオフの成績は16勝3敗になる。
ファイナルMVPは、ジェイレン・ブランソンだ。レギュラーシーズンも74試合に出て、平均26.0点と6.8アシストを残した。
ニックスの優勝は1973年以来で、53年ぶりだった。優勝の背景は「ニックスの強さの秘訣」にまとめている。
主力4人は残り、ロビンソンが去った
このオフ、ニックスは大きな補強をしなかった。ブランソン、カール=アンソニー・タウンズ、OG・アヌノビー、ミカル・ブリッジスの4人がそのまま残る。ジョシュ・ハートも健在だ。
いちばん大きな変化は、センターのミッチェル・ロビンソンが去ったことだ。ニックスで8年を過ごし、昨季は60試合で平均8.8リバウンドを取った。セルティックスと3年4,740万ドルで契約している。
ニックスが引き留めなかったのは、使えるお金の上限(2ndエプロン)を超えないためだ。オーナーのジェームズ・ドランは、このラインを超えないと決めている。
代わりに迎えたのが、33歳のアンドレ・ドラモンドだ。契約は1年約390万ドルで、リバウンドに強いベテランになる。ただ、NBA.comは守備ではロビンソンより落ちると見ている。
顔ぶれが変わらないことは、それだけで強みになる。ブリッジスは昨季82試合すべてに出た。ハートも66試合で平均12.0点、7.4リバウンド、4.8アシストと、何でもこなした。
ほかは残留が中心だった。ランドリー・シャメットとは4年約2,390万ドル、ホセ・アルバラードとは3年約1,450万ドルで再契約した。2年目のモハメド・ディアワラ、ジョーダン・クラークソンも残っている。
このオフに出た選手・来た選手
攻撃は3位前後、守備は7位。余白は約330万ドル
昨季の攻撃の効率は、ESPNの集計でリーグ2位、StatMuseでは3位だった。守備の効率はどちらも7位だった。
攻撃の中心はブランソンだ。3ポイントも強く、ハートは41.3%、アヌノビーは38.6%を決めた。外から決められる選手が多く、ブランソンが中に切り込む道が空く。
控えの層も厚い。マイルス・マクブライドは41試合で平均12.0点を挙げ、3ポイントは41.3%だった。シャメットも51試合で39.2%を決めている。主力が休んでも、外から決める選手が残るのは大きい。
守備は、ロビンソンが抜けたゴール下が心配になる。タウンズは得点力のあるセンターだが、守備で頼られるタイプではない。リバウンドを取り合う相手には、昨季より苦しむおそれがある。
今季の総年俸は約2億1,843万ドルで、円にすると約345億円(1ドル=158円)。2ndエプロンまでは約330万ドルしか残っていない。内訳はニックスの年俸一覧で確認できる。
そのうち78%を、タウンズ、アヌノビー、ブランソン、ブリッジスの4人が占める。ブリッジスは今季から4年1.5億ドルの延長が始まった。お金の大半は4人に使い切っているので、シーズン中の大きな補強は難しい。仕組みは「NBAの2ndエプロンとは?」で解説している。
ニックスの今季の年俸の総額のうち、主力4人の分
- タウンズ26%
- アヌノビー19%
- ブランソン17%
- ブリッジス15%
- ほかの10人22%
カギはタウンズと、アヌノビー
1人目のカギは、カール=アンソニー・タウンズだ。昨季は75試合で平均20.1点、11.9リバウンドだった。ロビンソンがいない今季は、センターとして出る時間が長くなる。
タウンズの延長交渉は、まだ止まったままだ。ニックスは10月9日、4人の延長交渉をシーズンの後半まで止めると発表した。来年6月には、タウンズ自身が来季の契約を続けるかどうかを選べる。
タウンズは11月で31歳になる。ニックス1年目の2024-25は平均24.4点だったが、昨季は20.1点に下がった。今季の数字が戻るかどうかは、本人の次の契約にも直結する。
契約の行方は「ニックスが4人の延長交渉をすべて凍結。王者が先送りしたのはなぜか」に整理した。結果を出すほど、交渉で強い立場になる1年だ。
2人目はOG・アヌノビーだ。今季の年俸は4,250万ドルで、タウンズに次いでチームで2番目に高い。昨季は67試合で平均16.7点、1.6スティールだった。
NBA.comは、アヌノビーを今季オールスターに届きうる選手に挙げている。守備で相手のエースを止めながら、得点でもブランソンを助けられるか。ゴール下が手薄な今季は、アヌノビーの守備の幅がより大事になる。
伸びそうな選手としては、21歳のディアワラも見ておきたい。新人の年に69試合に出て、3ポイントは36.9%だった。主力の多くが20代後半から30代のなかで、数少ない若手の出番が増えるかが注目になる。
予想は54勝前後、東の1位
今季の勝利数の目安は、DraftKingsが53.5勝、BetMGMが52.5勝だ。どちらも東で最も高い。ESPNの専門家の投票でも、ニックスは東の1位に選ばれた。
ただし、優勝の予想となると話は別だ。ESPNの投票では、サンダーとスパーズに次ぐ3番手にとどまった。76ersがブラウンとレブロンを加えるなど、東の上位も昨季より厚くなっている。
このサイトの予想は、54勝28敗前後で東の1位だ。主力4人とHCが残り、攻撃の型も変わらない。プレーオフで見せた勝ち方を考えれば、昨季の53勝より少し上を見込める。
一方で、連覇は簡単ではない。2017-18のウォリアーズを最後に、連覇したチームは出ていない。ゴール下の守りと、延長交渉が止まったままのタウンズの心境が、シーズンの後半に響くおそれもある。
開幕は10月20日(現地)、本拠地マディソン・スクエア・ガーデンでの76ers戦だ。優勝のバナーを掲げる日で、いきなり東の強敵と当たる。
日程と順位はニックスのチームページで追える。東西の順位予想は「2026-27シーズンの順位予想」にまとめた。30チームの顔ぶれは「2026-27シーズン開幕前:30チームの注目ポイントまとめ」で確認できる。優勝がニューヨークにもたらしたお金の話は「ニックス53年ぶり優勝の経済効果はどれくらい?」を読んでほしい。
今季のニックスの勝利数の予想
参考にした情報源
- NBA.com:2026-27 Season Preview: New York Knicks
- Fantasy Alarm:New York Knicks 2026-27 Season Preview
- Wikipedia:2026 NBA playoffs
- ESPN:Hollinger NBA Team Stats 2025-26
- StatMuse:Knicks offensive rating and defensive rating rank 2025-26
- StatMuse:Knicks player stats 2025-26 regular season
- Daily Gazette(Tribune):Knicks, Andre Drummond agree to one-year deal
- SI:Grading every Knicks 2026 free agency signing so far
- NESN:Vegas posts Celtics projected win total for 2026-27
- ClutchPoints:Knicks get title-repeat respect from ESPN experts
