この記事のポイント
- 東の1位予想は**ニックス(54勝)**。優勝した主力4人が残り、連覇を狙う
- 東の2〜6位は**ピストンズ、セルティックス、76ers、ヒート、キャバリアーズ**が3勝差に並ぶ大混戦
- 西は**サンダー(60勝)**と**スパーズ(59勝)**の2強。3位ナゲッツとは8勝の差
- 八村塁と河村勇輝の**クリッパーズは西12位(31勝)**の予想。そのぶん2人の出番は増える
- 予想が外れる最大の要因は**けが**。エンビード、カワイ、バトラーの出場試合数で順位は大きく動く
数字で見る開幕前の予想
サンダーの予想勝ち数ライン(30チームで最多)
スパーズ。少なくとも過去30年でチーム最高のライン
王者ニックス。東では最多
キングス。30チームで最少
予想の立て方:ラインを土台に、けがと補強で上下させた
順位予想の土台にしたのは、米国のスポーツブック(ブックメーカー)が出している予想勝ち数のラインだ。たとえばサンダーの「60.5」は、「60勝より多いか少ないか」に賭けるための線で、市場が見込む勝ち数の目安になる。8月下旬の時点で最も高いのがサンダーの60.5勝、最も低いのがキングスの21.5勝だった。
そのうえで、ラインが出たあとに分かったけが人の情報と、各チームの補強をサイトとして評価し、勝ち数を上下させた。ラインと大きく違う予想にしたチームは少ない。ラインは多くの情報を集めた“市場の答え”で、外れるときは多くの場合、けがで主力が長く休んだときだからだ。
なお、東西とも1〜6位がそのままプレーオフ、7〜10位はプレーイン・トーナメントで残り2枠を争う。各チームの主力の顔ぶれは「2026-27シーズン開幕前:30チームの注目ポイントまとめ」、開幕戦の日程と視聴方法は「NBA 2026-27シーズン開幕ガイド」にまとめている。
東:本命はニックス。2位から6位は3勝差の大混戦
東の1位予想は、53年ぶりに優勝したニックスだ。ブランソン、タウンズ、アヌノビー、ブリッジスの主力4人がそのまま残った。優勝したチームの顔ぶれがほとんど変わらないのは、それだけで大きな強みになる。ラインも東で最も高い52.5勝で、サイトの予想は54勝とした。
2位にはあえてピストンズを置いた。ケイド・カニングハムは昨季のMVP投票で1位票を集め、オーサー・トンプソンは最優秀守備選手の候補に挙がる。若い主力がそろって伸びる時期で、大きな補強はなくても上積みが見込める。キャップにも余裕を残しているので、シーズン途中に動ける強みもある。
3位はセルティックス。昨季は16試合しか出られなかったジェイソン・テイタムが、アキレス腱の手術から1年以上たって万全の状態で開幕を迎える。ジェイレン・ブラウンを76ersへ出し、ポール・ジョージを迎えた。テイタムがボールを持つ時間は、これまでより長くなりそうだ。
4位の76ersは、ブラウンとレブロン・ジェームズが加わり、顔ぶれの豪華さでは東でいちばん。それでも4位にしたのは、ジョエル・エンビードが何試合出られるか分からないからだ。5位のヒートはヤニス・アデトクンボが加わった。アデバヨとの組み合わせがかみ合えば、1位争いに加わってもおかしくない。6位のキャバリアーズは、ミッチェル、モブリー、ハーデン、アレンの4人が軸。2位から6位までは3勝差で、どの順番になっても驚かない。
東:プレーイン争いと、再建に入ったチーム
7位から10位のプレーイン争いは、ラプターズ、ペイサーズ、マジック、ホークスの4チームと予想した。ラプターズはカワイ・レナードを迎え、元気なら6位以内も狙える。ペイサーズは、2025年のファイナルでアキレス腱を断裂したタイリース・ハリバートンが1年ぶりに戻る。本人は「100%。制限はない」と話していて、戻り方しだいで上も見える。
ホークスはルー・ドートを加えた一方、センターのヘンリ・ヴィーサーが9月の練習中に右ひざの前十字じん帯を断裂し、今季はもう出られない。ラインの43.5勝から少し引いて41勝とした。
11位以下は、新しい形を探すチームが並ぶ。ホーネッツはラメロ・ボールが去ったうえ、2年目のコン・クヌッペルが太もも裏を痛めて開幕に間に合わない恐れがある。ウィザーズはトレイ・ヤング、アンソニー・デイビス、ドラフト1位のAJ・ディバンサがそろったが、チームとしてかみ合うまでには時間がかかるとみた。ブルズ、バックス、ネッツは再建の年になりそうだ。ヤニスが去ったバックスのラインは26.5勝で、東では下から2番目だ。
イースタン・カンファレンスの順位予想
西:サンダーとスパーズの2強。3位以下は大きく離れる
西は、サンダーとスパーズの2チームが抜けている。サンダーは2年連続MVPのシェイ・ギルジャス=アレクサンダー、ジェイレン・ウィリアムズ、チェット・ホルムグレンの若い3本柱が健在で、ラインは30チーム最多の60.5勝。サイトの予想は60勝で1位にした。
スパーズは昨季ファイナルまで勝ち進み、今季のラインは59.5勝。チームにとって少なくとも過去30年で最も高い数字だ。ビクター・ウェンバンヤマはまだ22歳で、フォックス、キャッスル、2年目のハーパーと周りも充実している。サイトはアワード予想でウェンバンヤマをMVPに選んでおり、1位になってもおかしくない。わずかな差で2位とした。
3位はナゲッツ(51勝)。ヨキッチがいる限り大崩れはしにくく、デマー・デローザンが加わって控えの得点力も上がった。ラインより少し上に置いた。
西:4位から10位は、けが人しだいでどこにでも転ぶ
4位から6位は、エドワーズとラメロが組むティンバーウルブズ、デュラントら主力が残ったロケッツ、レブロンが去ってルカ・ドンチッチ中心になったレイカーズの順にした。3チームのラインは46.5〜48.5勝で、ほとんど差がない。ルカは昨季のプレーオフを太もも裏のけがで欠場したが、今は「制限なし」と話している。
7位のトレイルブレイザーズは、ジャ・モラントが加わり、ホリデー、リラードとガード陣が一気に厚くなった。8位のウォリアーズは、2月にひざの前十字じん帯を手術したジミー・バトラーの復帰が、早くても1〜2月になる見込み。ポルジンギスを加えたものの、前半戦をカリー中心でどこまで勝ち越せるかがカギになる。
9位のサンズと10位のマーベリックスまでがプレーイン圏内という予想だ。マブスは2年目のクーパー・フラッグの伸び方しだいで、ラインの34.5勝より上に行けるとみて36勝にした。11位以下はジャズ、クリッパーズ、グリズリーズ、ペリカンズ、キングス。キングスのラインは30チーム最少の21.5勝で、厳しいシーズンになりそうだ。
ウエスタン・カンファレンスの順位予想
八村塁と河村勇輝のクリッパーズは西12位の予想
日本のファンにとって気になるのは、八村塁と河村勇輝がそろったクリッパーズだろう。サイトの予想は西12位の31勝51敗で、プレーインにも届かない。ラインも30.5勝と低い。
理由ははっきりしている。カワイ・レナードが去ったうえに、ブランドン・イングラムがアキレス腱のけがで、マックス・ストラスも足のけがで開幕に間に合わない。開幕に出られない選手の年俸は、チーム全体の約3分の1になる(詳しくは「ストラスも足のけがで開幕に間に合わず」)。
ただ、日本のファンにとっては悪い話ばかりではない。主力が欠けるぶん、八村の出場時間は増える可能性が高い。プレーシーズン初戦では15分で21点を挙げた。河村も、ガードの層が薄くなれば出番を得やすい。チームの順位は低くても、2人にとっては数字を残すチャンスのシーズンになる。2人の成績は日本人選手のページで追いかけられる。
答え合わせはシーズン中に
まとめると、サイトの予想は東=1位ニックス、2位ピストンズ、3位セルティックス、西=1位サンダー、2位スパーズ、3位ナゲッツ。ファイナルはニックスとサンダーの対戦を本命に、スパーズが続くとみる。
順位予想は、外れるところに面白さがある。けがで主力が長く休むチームや、トレード期限で大きく動くチームが出れば、順位は一気に入れ替わる。実際の順位は順位表で毎日更新しているので、この予想と見比べてほしい。シーズン途中とレギュラーシーズン終了後には、この予想の答え合わせもする予定だ。