主な実績
- 2025-26に**史上初の満票**でDPOY。22歳は史上最年少
- 1年目から**平均3.6ブロック**。新人王も満票
- DPOYの最多受賞は**4回**(ムトンボ、ベン・ウォーレス、ゴベア)
- “史上最高”の議論で問われるのは、ピークの高さと、それを何年続けたか
- 本記事の結論は**「まだ早い」**。ただしピークはすでに歴代の名手と並ぶ
数字で見るウェンバンヤマの守備
2025-26のDPOY。史上初の満票
史上最年少でのDPOY
1年目(2023-24)の平均ブロック。新人でリーグ1位
「もう史上最高」と言われる理由
ウェンバンヤマの守備がほかの名手と違うのは、守れる範囲の広さだ。身長は2m20cmを超え、腕はさらに長い。ゴール下にいながら3ポイントラインの近くまで手が届き、一度抜かれても後ろから追いついてブロックできる。相手はシュートを打つ前から、打つ場所を変えさせられている。
数字もそれを裏付ける。1年目の2023-24は新人ながら平均3.6ブロックでリーグ1位。昨季は100票すべての1位票を集めてDPOYに選ばれた。満票は賞の歴史で初めてで、記者全員が「この選手がいちばん」と認めたことになる。
しかも、ブロックだけの選手ではない。ピック&ロールではガードについていくこともでき、相手がスイッチで小さい選手と組ませても簡単には崩れない。ゴール下を守るセンターと、外まで出て守るフォワードを、1人でこなしている。
それでも「まだ早い」と言える理由
“史上最高”を名乗るには、ピークの高さだけでなく、それを何年続けたかが問われる。DPOYを最も多く取ったのは、ムトンボ、ベン・ウォーレス、ゴベアの4回。通算ブロック数で歴代1位のアキーム・オラジュワンは、3,830本を積み上げている。ウェンバンヤマのDPOYはまだ1回だ。
健康の問題もある。2年目の2024-25は、2月に肩の血栓が見つかってシーズンを途中で終えた。DPOYは原則65試合以上の出場が条件で(65試合ルール)、どれだけ守備がすごくても、出られなければ賞にも記録にも残らない。
そしてビル・ラッセルの存在がある。DPOYもブロックの記録もない時代に、守備を武器に13年で11回優勝した。“チームを何度勝たせたか”という物差しで見れば、ウェンバンヤマはまだスタートラインに立ったばかりだ。
歴代の“守備の名手”と比べる
結論:まだ“史上最高”ではない。ただしピークはすでに並んだ
結論として、ウェンバンヤマを今の時点で「史上最高のディフェンダー」と呼ぶのはまだ早い。名手たちの評価は、10年近く守備の頂点に立ち続けたことの上に成り立っている。1回のDPOYでそこに並ぶことはできない。
ただし、1シーズンの守備の価値なら、すでに史上最高クラスにある。満票でのDPOY、新人での3.6ブロック、そしてゴール下から3ポイントラインまで1人で守れる範囲の広さ。この3つを同時に持っていた選手は、過去にほとんどいない。
だから本記事の答えは「まだ」。ただし、今の水準を5年続ければ、議論の余地はなくなる。今季はDPOYの連覇に加え、MVPとの同時受賞もかかっている(2026-27 NBAアワード予想)。スパーズの試合のブロック数は、試合日程から各試合のボックススコアで追いかけられる。