この記事のポイント
- 昨季は42勝40敗で西の9位。5勝16敗の出だしから立て直したが、プレーインでウォリアーズに敗れた。
- カワイをラプターズに出してイングラムを獲得。八村塁、ドラフト5位のワグラー、ストラスも加わった。
- NBAの処分で1巡目指名権5つと罰金3,000万ドル。年俸の43%はガーランドとイングラムの2人に集まる。
- カギは、けがから戻ったガーランドと、外から決められる八村。イングラムの復帰は早くて11月半ば。
- 予想は32勝前後で西の12位。プレーインに届くかどうかの1年になると見る。
運営者の見方
今季のクリッパーズでいちばん注目しているのは、やっぱり八村塁です。イングラムが故障している間の1stオプションとして見ています。
数字で見る昨季のクリッパーズ
昨季の勝利数(40敗)。西の9位
攻撃の効率(100回の攻撃あたりの得点)
カワイの平均得点(65試合)
NBAの処分で失った1巡目指名権(2029〜33年)
5勝16敗から立て直し、西の9位まで戻した
2025-26のクリッパーズは42勝40敗で、西の9位だった。プレーインではウォリアーズに121-126で敗れた。プレーオフを逃したのは2022年以来だ。
出だしは最悪だった。最初の21試合は5勝16敗で、11月だけなら2勝13敗に終わっている。ブラッドリー・ビールも11月に股関節を骨折し、シーズンを終えた。
そこから19試合で16勝3敗と巻き返した。中心にいたのはカワイ・レナードで、65試合で平均27.9点を挙げている。カワイがコートにいるかどうかで、100回の攻撃あたりの得失点の差は13.8点も変わった。
2月には、チームの形を大きく変えた。ジェームズ・ハーデンを出してダリアス・ガーランドを獲った。イビツァ・ズバッツを出して、ベネディクト・マサリンも加えた。ベテラン中心から若い軸への切り替えは、このときに始まっていた。
カワイが去り、昨季の開幕から残ったのは3人
このオフ、カワイはラプターズへ移った。見返りはブランドン・イングラム、グレイディ・ディックと指名権だ。このトレードはNBAの調査で止まっていたが、9月14日に正式に成立した。
調査の結果は重かった。NBAは9月2日、カワイの契約をめぐる規則違反を認めた。クリッパーズは2029〜33年の1巡目指名権5つを失い、罰金は3,000万ドルになった。スティーブ・バルマー オーナーは1年の資格停止だ。
編成トップのローレンス・フランク氏も、半年の資格停止になった。いまは暫定でトレント・レデン氏が編成を率いている。指名権を失ったことで、数年かけて若手を育て直す道もせまくなった。
補強の柱はイングラムだ。昨季はラプターズで平均21.5点を挙げ、オールスターに選ばれた。八村塁は2年2,800万ドルで、同じロサンゼルスのレイカーズから移ってきた。ドラフトでは全体5位で、イリノイ大学のガード、キートン・ワグラーを指名した。
5チームが絡むトレードでは、シューターのマックス・ストラスも加わった。ビールとは2年1,320万ドルで結び直している。一方で、ジョン・コリンズ、ボグダン・ボグダノビッチ、マサリンらが去った。
NBA.comによると、昨季の開幕戦で10分以上出た10人のうち、残ったのは3人だけだ。ブルック・ロペス、デリック・ジョーンズJr.、クリス・ダンの3人になる。顔ぶれはほぼ別のチームと言っていい。
2月からこのオフにかけて出た選手・来た選手
攻撃は10位、守備は18位。年俸の4割強は2人に
昨季の攻撃は、100回の攻撃あたり114.6点でリーグ10位だった。守備は112.8点を許して18位。攻撃は上位、守備は真ん中より少し下のチームだった。
ただ、その攻撃を引っ張っていたのはカワイだ。カワイの1試合27.9点を、新しい顔ぶれでどう埋めるのか。誰が点を取るのかが、今季いちばんの問題になる。
今季の総年俸は約1億9,012万ドルで、円にすると約300億円(1ドル=158円)。そのうち43%を、ガーランドとイングラムの2人が占める。内訳はクリッパーズの年俸一覧で確認できる。
心配なのは体だ。イングラムはアキレス腱の部分断裂で、開幕に間に合わない。ストラスも右足のけがで、少なくとも1か月は出られない。ビールも開幕戦は難しいと見られている。
ゴール下の層も薄い。先発のセンターを務めるロペスは38歳だ。2年目のヤニック・コナン・ニーデルハウザーも、足の手術から戻る途中にいる。開幕からしばらくは、けが人の多いなかでやりくりするシーズンになる。
明るい材料はストラスだ。NBA.comは、今季に伸びそうな選手としてストラスを挙げた。昨季は足の骨折で67試合を休んだが、戻ってからは3ポイントを40.2%で決めている。足が治れば、イングラムからのパスを受けて打つ役が待っている。
クリッパーズの今季の年俸の総額のうち、ガーランドとイングラムの分
- ガーランド22%
- イングラム21%
- ストラスと八村16%
- ほかの選手41%
カギはガーランドの体と、八村塁の得点
1人目のカギはガーランドだ。オールスターに2回選ばれた26歳の司令塔で、昨季は2チームで平均18.8点、6.7アシストを残した。ただ右足の親指のけがで、クリッパーズでは19試合しか出ていない。
親指はオフに手術し、本人は完全に治ったと話している。レデン氏も、開幕から出られると説明した。ハワイでのプレシーズン初戦では、15分で15点、6アシストを挙げた。
タイロン・ルーHCは、速い展開を増やすつもりだ。ガーランドにはボールを持たない場面でも動いてもらうという。ガーランドが70試合近く出られるかで、チームの順位は大きく変わる。
2人目は八村塁だ。昨季はレイカーズで3ポイントを44.3%で決め、球団記録をつくった。イングラムとストラスがいない今、外から決められる選手としての役目はさらに大きい。
求められるのは、待って打つだけでなく、自分から点を取ることだ。プレシーズンの初戦では、15分で21点を挙げている。イングラムが戻るまでに結果を残せば、先発の座も固まる。役割の変化は「イングラムの離脱で八村塁の役割はどう変わるか」にまとめた。
ドラフト5位のワグラーも見ておきたい。NBA.comは、すぐに出場時間を得られる候補に挙げている。ただESPNによると、サマーリーグでは11アシストに対してターンオーバーが9つあった。まだ荒さもあり、まずは経験を積む1年になりそうだ。
契約を解除された河村勇輝は、傘下のGリーグでプレーする見込みと報じられている。この先の道は「契約解除の河村勇輝に、NBAへ戻る道は残っているか」で整理した。
予想は32勝前後、西の12位
ブックメーカーが付けた今季の勝利数の目安は、27.5〜28.5勝だ。ESPNのチーム力の指標(BPI)では、リーグ25位と見られている。Yahoo Sportsは31勝と予想した。
私の予想は32勝50敗前後で、西の12位。カワイの穴は大きく、イングラムが戻るのも早くて11月半ば以降だ。それでもガーランドが開幕から出られ、八村の3ポイントもある。そのぶん、目安より少し上に置いた。
上振れの条件は、ガーランドが健康で、イングラムが12月までに戻ることだ。そうなれば、プレーインの10位を争える。逆にけが人がさらに増えれば、20勝台に沈むおそれもある。
日程では、11月2日(現地)のラプターズ戦に注目したい。カワイがロサンゼルスに戻ってくる試合だ。12月31日には、ガーランドが古巣のキャバリアーズと対戦する。
日程そのものは、昨季より楽になった。Yahoo Sportsによると、2日続けて試合がある日程は13回ある。そのうち9回は、2日目がロサンゼルスでの試合だ。移動が少ないのは、けが人の多いチームには助けになる。
日程と順位はクリッパーズのチームページで追える。30チームの顔ぶれは「2026-27シーズン開幕前:30チームの注目ポイントまとめ」で確認できる。同じロサンゼルスのライバルは「レイカーズの2026-27シーズンの見どころ」にまとめた。八村を現地で観るなら「インテュイット・ドーム観戦ガイド」も参考にしてほしい。
今季のクリッパーズの勝利数の予想
参考にした情報源
- NBA.com:2026-27 Season Preview: LA Clippers
- ESPN:LA Clippers offseason recap, early 2026-27 season preview
- ESPN:Hollinger NBA Team Stats 2025-26
- Wikipedia:2025–26 Los Angeles Clippers season
- ABC7:NBA strips Clippers of 5 first-round draft picks after probe
- SI:Clippers Provide Disappointing Brandon Ingram Injury Update
- Yahoo Sports:Clippers Get Crushing Injury Updates for Opening Night vs. Kings
- Yahoo Sports:Los Angeles Clippers season preview
- Data Dunk:Los Angeles Clippers 2026-27 Preview
- Hoops Rumors:Clippers Waive Yuki Kawamura
