時事解説時事 / ABA合併50年・ナゲッツ

ナゲッツがABAの復刻ユニ。合併組4球団の50年の明暗

ー ABAで5回勝ったペイサーズとネッツは、NBAではまだ0回。ABAで無冠だったスパーズとナゲッツは、NBAで合わせて6回。合併の条件と、その後の50年を整理した ー

10月12日(現地)、ナゲッツ、ペイサーズ、スパーズ、ネッツの4球団が、ABA時代を再現した復刻ユニフォームを発表した。ABAとNBAの合併から、今季で50年になる。ABAで勝っていた2球団と、NBAで勝った2球団。入れ替わった明暗を、合併の条件から整理した。

この記事のポイント

  • ナゲッツは今季7試合で、前身の「ロケッツ」時代のオレンジのユニフォームを着る。最初は12月27日のペイサーズ戦
  • ABAで優勝したのはペイサーズとネッツだけ。ところがNBAでは、**ABAで無冠のスパーズとナゲッツが合わせて6回**優勝した
  • ネッツは加盟料に加えてニックスへの支払いも抱え、ABA王者のままアービングを76ersへ手放した
  • 合併に入れなかった球団のオーナーは、4球団の放映権料の7分の1を永久にもらう約束を結んだ。2014年に約790億円の一括払いでほぼ決着した
  • スパーズとナゲッツの優勝は、ロビンソン、ダンカン、ヨキッチという自前の大きな選手が土台だった

数字で見るABA合併の50年(1ドル=158円で換算)

ユニフォームはESPN・theScore・SportsLogos.net、合併の条件はClick Americana・Hoops Analyst、シルナ兄弟の件はSports Illustrated・NBC Newsによる
50年

ABAとNBAの合併(1976年)から今季までの年数

7試合

ナゲッツがオレンジの復刻ユニを着る試合の数。最初は12月27日のペイサーズ戦

6回

ABAから来た4球団が、NBAで優勝した回数の合計

約790億円

合併に入れなかった球団のオーナーに、2014年に一括で払った額(5億ドル)

ナゲッツがオレンジの“ロケッツ”に戻る

10月12日(現地)、ナゲッツ、ペイサーズ、スパーズ、ネッツの4球団が、そろって復刻ユニフォームを発表した。4球団はどれも、かつてのライバルリーグ「ABA」から来たチームだ。ABAとNBAの合併から、今季でちょうど50年になる。コートも当時の雰囲気に作り直す(ESPN、SportsLogos.net)。

ナゲッツのユニフォームは、明るいオレンジ地に黒の「DENVER」の文字だ。パンツには、ナゲッツになる前の「ロケッツ」のロゴが入る。デンバーのチームは1967年、ロケッツとして生まれた。NBAにヒューストン・ロケッツがいたため、1974年に今の名前に変えている(SportsLogos.net、theScore)。

着るのは今季7試合で、最初は12月27日のホームのペイサーズ戦だ。紺と金の今のナゲッツとは、別のチームに見える。ほかの3球団も、スパーズは銀、ペイサーズは紺、ネッツは白と、ABA時代の色を戻した。スパーズは9試合で着て、11月4日のマブス戦が最初だ。名前の由来は「NBAチーム名の由来」で書いている(theScore、ESPN)。

ABAで5回勝った2球団が、NBAではまだ0回

4球団の歩みを並べると、はっきりした逆転がある。ABAで優勝したのは、ペイサーズの3回とネッツの2回だけだ。スパーズとナゲッツは、ABAでは一度も勝っていない。それでも力はあった。NBA1年目のナゲッツは50勝32敗で地区1位になった。トンプソン、イッセル、ジョーンズの3人がオールスターに選ばれている(ESPN、NBA.com)。

ところがNBAに来てから、立場が入れ替わった。スパーズは1999年から2014年までに5回優勝した。ナゲッツは2023年に初優勝している。ABAの王者だったペイサーズとネッツは、50年でまだ0回だ。ペイサーズは昨年もファイナルで敗れた。今季の様子は「ハリバートンの復帰」で書いた。

合併後の50シーズンの優勝のうち、4球団の分は6回で12%になる。4球団は今のリーグの約13%なので、数だけなら釣り合っている。ただ、その中身は2球団に偏っている。優勝のない球団は「まだ一度も優勝がないフランチャイズ」でまとめた。

ABAから来た4球団の優勝回数

NBAの優勝は1976-77から2025-26までの50シーズン。ファイナル敗退はNBAでの回数
ABAでの優勝
NBAでの優勝
NBAのファイナル敗退
ペイサーズ
3回
0回
2回(2000年・2025年)
ネッツ
2回
0回
2回(2002年・2003年)
スパーズ
0回
5回
1回(2013年)
ナゲッツ
0回
1回(2023年)
0回

ネッツはNBAに入るためにドクターJを手放した

明暗を分けた一つ目は、合併の条件だ。1976年6月、NBAはABAのうち4球団だけを受け入れた。4球団は加盟料として、1球団あたり320万ドルを払うことになった(Click Americana、Hoops Analyst)。

ネッツには、もう一つ負担があった。本拠地がニックスの地元と重なるとされ、ニックスに約480万ドルを払うことになった。額を400万ドルとする記録もある。ABA最後の王者だったネッツは、この出費でエースを抱えきれなくなった(Click Americana、CBS News)。

そのエースが、ドクターJことジュリアス・アービングだ。開幕直前に76ersへ移り、ネッツはNBA1年目を22勝60敗の最下位で終えた。今回の白い復刻ユニは、アービングが着ていたころのデザインだ。コートには、アービングを含む歴代の全選手の名前も入る(theScore、SportsLogos.net)。

ネッツがドクターJを手放すまで

Click Americana・Hoops Analyst・CBS Newsの記録による。ニックスへの支払いは400万ドルとする記録もある
  1. 1
    1976年5月

    ネッツがABA最後のファイナルを制し、2度目の優勝

  2. 2
    1976年6月

    NBAがABAの4球団の受け入れを決定。加盟料は1球団320万ドル

  3. 3
    1976年夏

    ネッツは地元が重なるニックスにも約480万ドルを払うことに

  4. 4
    1976年10月

    開幕直前、アービングを76ersへ放出

  5. 5
    1976-77

    ネッツはNBA1年目を22勝60敗のリーグ最下位で終える

合併に入れなかった球団に払った約790億円

合併から外れたABAの球団もあった。セントルイスのスピリッツだ。オーナーのシルナ兄弟は、球団をたたむ代わりに変わった条件をのんだ。4球団が受け取るテレビの放映権料の7分の1を、永久にもらう約束だ(Sports Illustrated、NBC News)。

NBAの放映権料は、その後の数十年で大きくふくらんだ。兄弟が2014年までに受け取った額は、約3億ドルにのぼる。リーグと4球団は2014年、5億ドル(約790億円)を一括で払い、この約束をほぼ終わらせた(Sports Illustrated、NBC News)。

つまり4球団は、加盟料を払ったうえに、放映権料の一部も長く削られてきた。ABAから来たチームは、入り口から重い荷物を背負っていた。そのなかで勝てたスパーズとナゲッツには、はっきりした共通点がある。

スパーズとナゲッツを王者にした自前の大黒柱

スパーズの5回の優勝は、ドラフト1位で取ったデビッド・ロビンソンとティム・ダンカンが土台だった。ナゲッツの初優勝は、2014年の2巡目41位で取ったヨキッチが中心だ。どちらも、チームの顔になる大きな選手を自前で育てた。ヨキッチの今後は「ナゲッツの2026-27サラリー」でも書いた。

ABAが残したものは、チームだけではない。3ポイントシュートは、ABAが1967年の発足から使っていた。NBAが取り入れたのは1979-80シーズンだ。ダンクコンテストも、1976年1月にデンバーで開いたABAのオールスターが始まりだった(Wikipedia、Bleacher Report)。

今季のナゲッツは、2度目の優勝を狙うシーズンになる。復刻ユニの7試合には、2月28日の敵地のスパーズ戦も入る。ABAから来た2球団が、当時の色で向き合う試合だ。ナゲッツの顔ぶれはナゲッツのチームページで確認できる。

合併後50シーズンのNBA優勝(50回)のうち、ABAから来た球団の分

1976-77から2025-26まで。4球団は今のリーグ30球団の約13%にあたる
  • スパーズ10%

    1999・2003・2005・2007・2014年

  • ナゲッツ2%

    2023年

  • ほかの球団88%

    ペイサーズとネッツは0回

この記事をシェアする

関連グッズ

PR アフィリエイト広告を含みます
デンバー・ナゲッツ ユニフォーム
デンバー・ナゲッツ グッズ
NBA Tシャツ
ショップで他のアイテムも見る

このサイトを応援する

NBA.Naviは個人で運営しています。記事やゲームが「面白い」と思ってもらえたら、コーヒー1杯ぶんの応援でサイトの維持・更新を支えてもらえます。

コーヒー1杯ぶん応援するOFUSE で受け付けています