この記事のポイント
- カイリーは左膝の前十字靱帯の断裂から**587日ぶり**に復帰。22分で17点・6本成功とチーム最多だった
- 離れていた間に、マブスはデイビスを放出し、監督と編成のトップも交代。チームの中心は新人王のフラッグに移った
- 昨季のマブスは26勝で、攻撃はリーグ27位。**フラッグのほかに自分で点を取れる選手がいない**のが一番の弱点だった
- カイリーの年俸は約62億円で、チームの約2割。来季は約4,240万ドルの選手オプションがあり、来夏に去就が動く可能性がある
- ブックメーカーの予想は34.5勝。プレーインに届くかは、カイリーが何試合出られるかにかかっている
数字で見るカイリーの復帰(1ドル=158円で換算)
2025年3月3日に左膝の前十字靱帯を切ってから、復帰戦(10月11日)までの日数
復帰戦の得点。22分の出場でチーム最多
マブスの年俸の総額のうち、カイリー1人の分(約62億円)
ブックメーカーが予想する今季のマブスの勝ち星(昨季は26勝)
マカオで587日ぶりの復帰。22分で17点
10月11日(現地)、マカオでのプレシーズンのロケッツ戦で、カイリー・アービングが復帰した。2025年3月3日に左膝の前十字靱帯を切ってから、587日ぶりの試合だ。マブスは132対115で勝っている。2日前の1試合目は欠場していて、2試合目での復帰だった。この2試合はリーグがマカオで開いた「NBAチャイナ・ゲームズ」だ(NBA.com、Hoops Rumors)。
最初の攻撃で、カイリーは逆サイドに回り込むレイアップを決めた。出場は22分で、17点・3アシスト・2リバウンド。シュートは13本中6本を決め、得点はチーム最多だった。前半だけで14点を取り、第3クォーターの途中でベンチに下がっている(NBA.com)。
新監督のダスティ・メイは、体も気持ちも仕上がっていると話した。カイリー本人も、最初から攻めると決めていたと振り返っている。けがの前の2024-25は平均24.7点。その水準にどこまで戻れるかは、シーズンが始まってから見えてくる(NBA.com、ESPN)。
マブスが発表したカイリーのけが(2025年3月)
離れていた間に、マブスは別のチームになった
カイリーがけがをしたのは、ルカ・ドンチッチのトレードから約1か月後だった。その後の587日で、マブスは大きく変わった。2026年2月にはアンソニー・デイビスをウィザーズへ出した。デイビスがマブスで出られたのは29試合だけだった(ESPN、Hoops Rumors)。
5月にはマサイ・ウジリが編成のトップになり、ジェイソン・キッド監督が退任した。6月には、ミシガン大学で全米優勝したダスティ・メイが新監督に就いた。7月にはホークスから、2024年のドラフト1位のザカリー・リサシェーも加えている(CBS Sports、ESPN)。
そして中心にいるのが、19歳のクーパー・フラッグだ。昨季は平均21.0点・6.7リバウンド・4.5アシストで新人王になった。2024年のファイナルを戦ったルカとカイリーのチームは、もうない。カイリーは、フラッグのチームに戻ってきたことになる。ルカのトレードの経緯は「ルカ・ドンチッチのトレード」で書いた。
マブスの勝ち星の移り変わり
26勝のチームに足りなかった“自分で点を取れる選手”
昨季のマブスは26勝56敗で、攻撃の効率はリーグ27位だった。12勝23敗の時点で、チームはフラッグの出場時間を増やしている。ルーキーがボールを持ち、相手の守備を一身に受けるシーズンだった(ESPN)。
ESPNは、フラッグのほかに自分でシュートまで持ち込める選手がいないことを、今季の一番の不安に挙げている。リサシェーもマックス・クリスティも、パスを受けて打つタイプだ。クリスティは昨季、平均12.3点で3ポイントは40%を決めた。それでも、ドリブルで守備を崩す役は担ってこなかった。フロントコートの人数は多いが、ガードの層は薄い(ESPN)。
だから、カイリーの価値は数字以上に大きい。カイリーが攻撃を組み立てれば、フラッグは相手のエースに付かれずに済む。復帰戦の最初の得点も、フラッグからのパスだった。2人が同じコートにいる時間に、相手がどちらを止めるか迷う。それが、昨季のマブスになかった形だ(NBA.com、ESPN)。
年俸の約2割と、来夏の選手オプション
お金の面でも、カイリーはチームの中心だ。今季の年俸は約3,950万ドル(約62億円)で、マブスの総額の約22%を1人で占める。2番目に高いP.J.・ワシントンの約2倍だ。フラッグはルーキー契約のため、約1,450万ドルにとどまる(Spotrac、Hoops Rumors)。
カイリーは2025年6月に、3年1.19億ドルで再契約している。最後の年の2027-28は約4,240万ドルの選手オプションだ。来夏、カイリーが残るかどうかを自分で選べる。35歳で迎える夏に、この額より良い契約を外で取るのは簡単ではない(ESPN、Hoops Rumors)。
一方で、デイビスを出したことで、マブスの年俸はぜいたく税のラインより約1,800万ドル下にある。若い選手を中心にするなら、シーズン中にカイリーを動かすことも理屈の上ではありうる。ただ、そうした報道はいまのところない。これは私の見方だ。仕組みは「NBAサラリーキャップの仕組み」でまとめている。
マブスの今季の年俸の総額(約1.82億ドル)のうち、カイリーの分
- カイリー22%
約3,950万ドル(約62億円)
- フラッグ8%
約1,450万ドル(約23億円)
- ほかの選手70%
約1.28億ドル(約203億円)
プレーインに届くかは、カイリーの出場試合数しだい
ブックメーカーの予想は、34.5勝だ。昨季の26勝からは伸びるが、それでも負け越しの見立てになる。ESPNは、36勝に届くのは難しいとして、下回るほうを選んでいる。理由は、34歳で大けがから戻るカイリーの状態が読めないことだ(ESPN)。
当サイトの「2026-27 NBA順位予想」では、マブスを西10位の36勝46敗と見た。プレーインの最後の枠だ。この予想は、フラッグの2年目の伸びを主な理由にしていた。カイリーが長く離れれば、フラッグがまた1人で背負うシーズンに戻ってしまう。
答えをまとめると、再建中のマブスにもカイリーは必要だ。フラッグを育てながら勝つには、横で点を取れるベテランが要る。そのかわり、出場時間をどう抑えるかが新監督の最初の宿題になる。連戦の2日目は休ませるなど、82試合をどう配分するかも見どころだ。選手の顔ぶれはマブスのチームページ、年俸はマブスの年俸一覧で確認できる。
カイリーが離れていた587日のマブス
- 12025年2月
ルカ・ドンチッチをレイカーズへトレードし、アンソニー・デイビスを獲得
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- 32025年6月
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- 62026年10月11日
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