時事解説時事 / ナゲッツ・トレード

ナゲッツはなぜケビン・ポーターJr.を取れなかったのか

ー 壁になったのは、手放したかったナジの来季の契約 ー

バックスを解雇されたポーターJr.に、ナゲッツは解雇の前から手を伸ばしていた。マレーの控えに不安を抱えながら、なぜ話はまとまらなかったのか。バックスが断った理由と、今からFAで取る場合の負担を整理した。

hsのアイコン書いた人: hs(NBA.Navi 運営者・ナゲッツファン・推しはアーロン・ゴードン)

この記事のポイント

  • ナゲッツの案は、ナジに**2巡目指名権を付けて**ポーターJr.をもらう形だった
  • バックスは来夏の補強の余地を守るため、ナジの来季の年俸を嫌った
  • ナゲッツは控えの司令塔を足しながら、年俸も軽くできるはずだった
  • FAで取る道は、年俸は安くても**ぜいたく税が重い**
  • 当面は15人目の枠を空け、動くならナジを使うトレードになりそう

数字で見るポーターJr.とナジ(1ドル=158円で換算)

Hoops Rumors・Yahoo Sports・NBA.comなどの報道による
1,600万ドル以上

最低保証の年俸で1人足すと増える、ぜいたく税(報道の試算。約25億円)

747万ドル

ナジの今季の年俸。来季も同じ額で残るかを本人が選べる(約11.8億円)

539万ドル

ポーターJr.の今季の年俸。契約は今季で終わる(約8.5億円)

7.4アシスト

ポーターJr.の昨季の1試合平均(38試合)

ナジと2巡目指名権。ナゲッツが示した交換案

バックスは日本時間10月20日、ガードのケビン・ポーターJr.を解雇した。開幕前に、ロスターを15人に絞る期限が迫っていた。その直前まで、ナゲッツがトレードでの獲得を探っていたことが分かった。The Stein Lineのジェイク・フィッシャー記者が、24日に伝えた。

ナゲッツが示したのは、ジーク・ナジに2巡目指名権を足す案だ。将来の2巡目指名権2つと、2巡目指名権を入れ替える権利1つを付けた。バックスはこれを断り、ポーターJr.を解雇した。今季の年俸約539万ドルは、バックスがそのまま負担する。若手のガードに出場時間を回すため、余っていたガードを1人減らした形だ。

名前が似ているが、2023年の優勝メンバーのマイケル・ポーターJr.とは別人だ。マイケルは2025年夏にネッツへ移り、代わりにキャメロン・ジョンソンが来た。ケビンは26歳のガードで、ロケッツなどを経てバックスに来た。

バックスがポーターJr.を解雇

ESPNのシャラニア記者(@ShamsCharania)の投稿。日本時間10月20日

バックスが背負いたくなかった、ナジの来季の年俸

バックスが断った理由は、ナジの契約の残り方にある。ナジの今季の年俸は約747万ドル(約11.8億円)だ。来季も同じ額で残るかどうかを、ナジ本人が選べる。この“選手の選択権”が、バックスには重かった。FAで同じ額を得るのは簡単ではないので、ナジはまず残るほうを選ぶだろう。バックスから見れば、来季の747万ドルはほぼ確実に払うお金になる。

バックスは今年の夏、ヤニス・アデトクンボをヒートへ送った。いまは若手を育てる時期で、来夏は約5,000万ドルのキャップの空きが見込まれる。ナジが残ると、その空きが747万ドル分減る。来夏の補強の余地を、2巡目指名権より優先したわけだ。

ただ、この判断には疑問の声も出ている。フィッシャー記者が話を聞いた他球団のサラリーの専門家5人は、全員が「受けた」と答えた。バックスの手元の2巡目指名権は4つしかない。2028〜2032年の分は1つもなく、補充の好機でもあったからだ。

ナゲッツの狙いは、控えの司令塔と年俸の整理

ナゲッツ側の狙いは2つあった。1つは、ジャマール・マレーの控えのポイントガードだ。今の控えのタイアス・ジョーンズはミスの少ないパサーだが、自分で点を取る場面は多くない。ポーターJr.は昨季、けがで38試合の出場にとどまった。それでも平均17.4点・7.4アシストを残している。マレーが休む時間に、攻撃を回せる選手がもう1人ほしかった。

もう1つは、年俸の整理だ。ポーターJr.の契約は今季で終わる。交換が成立していれば、今季の年俸は約208万ドル軽くなっていた。来季は、ナジの747万ドルが丸ごと消える。戦力を足しながら、払うお金を減らせる案だった。

ナゲッツの総年俸は、ぜいたく税ラインの一段上にある「1stエプロン」を超えている。この位置のチームは、トレードで受け取る年俸を、出す年俸より多くできない。ナジとポーターJr.の交換は、この決まりの中に収まる形だった。年俸の中身は「ナゲッツの2026-27サラリーを読む」とナゲッツの年俸一覧にまとめている。

交換案で動く年俸。今季と来季

ナジの来季分は、本人が残ることを選んだ場合。Hoops Rumors・Spotracの数字による
ナジ(今季)
747万ドル
ポーターJr.(今季)
539万ドル
ナジ(来季)
747万ドル
ポーターJr.(来季)
0万ドル

FAで取るなら、最低年俸の1人で税が1,600万ドル以上増える

ポーターJr.は、他球団が契約を引き取れる期間(ウェーバー)を誰にも拾われずに過ぎた。いまはどのチームとも契約できるFAだ。期間中に拾っていれば、残りの年俸ごと引き取る形になっていた。トレードと違い、ナジや指名権を出さずに取れる。ただ、ナゲッツにとってはこちらの道のほうが高くつく。

ナゲッツは今、15人目の枠を空けて戦っている。ここに最低保証クラスの年俸で1人足すとどうなるか。ぜいたく税が1,600万ドル以上増えるという試算が、複数の報道で出ている。日本円で約25億円になる。

年俸は250万ドル前後でも、税は超えた額が大きいほど1ドルあたりの税率が上がる。ナゲッツはすでに高い税率の段にいるので、1人足すだけで税が年俸の何倍にもなる。ナジを出して年俸を減らす交換案は、この税を避ける意味も大きかった。税を払うチームの全体像は「ぜいたく税ラインを超えた13チーム」で整理した。

当面は15人目を空けたまま。動くならナジを使うトレード

フィッシャー記者は、ポーターJr.がプレーオフを狙えるチームを優先して選ぶと見ている。最低年俸で取れる選手として、人気を集めるという見立てだ。キングスも、解雇の前から関心を見せていた。ナゲッツが手を挙げなければ、ほかのチームに決まる可能性が高い。ナゲッツが払える税の重さを考えると、FAでの獲得は見送る公算が大きい。

ナゲッツは当面、15人目の枠を空けたまま戦うと見られている。補強に動くなら、今回と同じくナジの年俸を出すトレードが現実的だ。来季も残りうる747万ドルは、ナゲッツにとって手放したい年俸であり、トレードの元手でもある。

まずは、ジョーンズがマレーの控えをどこまで務めるかに注目したい。控えの時間帯に点が止まるようなら、ナジを使った交換の話がまた出てくるだろう。優勝を狙うチームにとって、控えの層の薄さはプレーオフで響いてくる。ナゲッツの今季の見通しは「ナゲッツの2026-27シーズンの見どころ」に、日程はナゲッツのチームページにまとめている。

参考にした情報源

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hsNBA.Navi 運営者

デンバー・ナゲッツを応援するNBAファン。いちばん好きな選手はアーロン・ゴードンで、NBAを見始めたきっかけはYouTubeで見た2016年のダンクコンテスト。NBA.Naviは一人で運営しています。記事の下書きにはAIを使い、運営者が目を通して自分の見方を加えてから公開しています。

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