この記事のポイント
- 昨季は54勝28敗で西の3位。1回戦で6位のウルブズに2勝4敗で敗れた。
- 攻撃の効率はリーグ1位、守備は30チーム中21位前後。差がはっきり出たシーズンだった。
- ワトソンとハーダウェイJr.が去り、37歳のデローザンが1年390万ドルで加わった。
- カギはハムストリングで36試合しか出られなかったゴードンと、外から決めるC・ジョンソン。
- 予想は51勝前後で西の4〜5位。プレーインを経ずにプレーオフへ進むと見る。
数字で見る昨季のナゲッツ
昨季の勝利数(28敗)。西の3位
攻撃の効率(100回の攻撃あたりの得点)
守備の効率(100回の攻撃あたりの失点)
ゴードンの出場数(82試合中)
54勝でも、1回戦で終わったシーズン
2025-26のナゲッツは54勝28敗で、西の3位だった。シーズンの最後は12連勝で締めている。(NBA.com、FOX31)
ところがプレーオフ1回戦で、6位のティンバーウルブズに2勝4敗で敗れた。ウルブズは第6戦で、エドワーズら主力4人を欠いていた。ヨキッチは敗退後、「優勝からは遠い」と話している。(Denver Gazette、ESPN)
主力のけがが続いたシーズンでもあった。ヨキッチは12月から1月にかけて、膝の骨挫傷で16試合続けて休んだ。それでもMVPの投票では、シャイ・ギルジャス・アレクサンダーに次ぐ2位に入っている。平均は27.7点、12.9リバウンド、10.7アシストだった。(ESPN、Land of Basketball)
今季の西は、サンダーとスパーズが頭ひとつ抜けているという見方が多い。ナゲッツはその次のグループで、3〜5位を争う立場だ。各チームの顔ぶれは「2026-27シーズン開幕前:30チームの注目ポイントまとめ」にまとめている。(SI、ESPN)
主力5人は残り、ベンチが入れ替わった
先発の5人は昨季と同じだ。ヨキッチ、マレー、ゴードン、キャメロン・ジョンソン、クリスチャン・ブラウン。5人の今季の年俸は合わせて約1億8,600万ドル、約293億円(1ドル=158円)になる。(ナゲッツの年俸一覧)
大きく変わったのはベンチだ。攻守にこなせる若手のペイトン・ワトソンが、サイン・アンド・トレードでキャバリアーズへ移った。ワトソンは4年8,800万ドルで契約し、ナゲッツは2031年の1巡目指名権などを受け取った。(ESPN、NBC Sports)
ワトソンを残せば、ぜいたく税の支払いが大きくふくらむ状況だった。ナゲッツは年俸を抑えて主力5人を守るほうを選んだ。ベテランのティム・ハーダウェイJr.もヒートへ移っている。(ESPN、Newsweek)
代わりに加わったのが、37歳のデマー・デローザンだ。キングスに解雇され、1年390万ドルでナゲッツを選んだ。通算2万6,711点は歴代16位。昨季もキングスで平均18.4点を挙げた。ほかにバグリーIIIとタイアス・ジョーンズが1年契約で加わり、スペンサー・ジョーンズはサンダーの条件に合わせて残した。(ESPN、NBA.com)
デローザンは中距離から自分で点を取れる。ヨキッチがベンチに下がった時間の得点源にもなる。ただ、外からのシュートは少ない。ワトソンのような守備の粘りも、37歳には求めにくい。点は取れるが、守備と外の広がりは落ちる。この入れ替えが吉と出るかが、今季の最初の見どころだ。(ESPN、NBA.com)
このオフに出た選手・来た選手
ナゲッツ公式によるデローザン加入の発表
攻撃はリーグ1位、守備は20位台
昨季の攻撃は、100回の攻撃あたり122.6点でリーグ1位だった。3ポイントの成功率39.6%もリーグ1位。ヨキッチがボールを持つと、誰かが空く。その形がシーズンを通して崩れなかった。(NBA.com、FOX31)
一方で守備は、100回あたり117.4点を許した。30チーム中21位前後だ。過去30年で、守備がトップ10の外から優勝したチームは3つしかない。その1つが2023年のナゲッツだ。(FOX31、StatMuse)
プレーオフでは、頼みの攻撃も止まった。ウルブズとの6試合で、3ポイントの成功率は31.1%まで落ちている。守備で耐えられない分、攻撃が落ちた試合をそのまま落とした。(FOX31、ESPN)
年俸の使い方もはっきりしている。上位5人で総年俸の約85%を占め、6番手から下は最低保証に近い契約が並ぶ。詳しくは「ナゲッツの2026-27サラリーを読む」で分析した。主力が1人欠けると、代わりとの差が大きい構造だ。
この年俸の形を支えているのが、ジャマール・マレーの復活だ。昨季は75試合に出て、平均25.4点、7.1アシスト。9年目で初めてオールスターに選ばれた。ヨキッチとマレーの2人がそろって元気なら、攻撃の1位は今季も十分に狙える。(NBA.com、Land of Basketball)
カギはゴードンと、キャメロン・ジョンソン
アーロン・ゴードンは昨季、ハムストリングを2度痛めた。出場は82試合中36試合だけだった。プレーオフもふくらはぎの張りで3試合しか出られていない。(AP、Denver Gazette)
出た試合では平均16.2点、5.8リバウンド。開幕直後には50点を取った試合もある。相手のエースに付ける選手がほかに少ないだけに、ゴードンが何試合出られるかが守備の順位を左右する。9月には本人が「準備はできている」と話した。(ESPN、Denver Gazette)
もう1人は、移籍2年目のキャメロン・ジョンソンだ。昨季は54試合で平均12.2点。シュートを打つ回数も3ポイントの本数も、キャリアで最も少なかった。(ESPN、Land of Basketball)
ワトソンが抜け、デローザンは3ポイントをほとんど打たない。ヨキッチの周りで外から決められる選手として、ジョンソンの役割は昨季より大きくなる。ESPNも、ジョンソンがもっと攻撃に関われば、リーグ1位の攻撃はさらに良くなると見ている。(ESPN)
昨季の主力の出場試合数
予想は51勝前後、西の4〜5位
ブックメーカーが付けた今季の勝利数の目安は49.5勝。ESPNのチーム力の指標(BPI)では、リーグ7位だった。昨季の54勝より少なく見られている。(ESPN、FanDuel)
私の予想は51勝31敗前後で、西の4〜5位。プレーイン・トーナメントを経ずに、プレーオフへ直接進めると見る。昨季はヨキッチが16試合続けて休み、ゴードンも半分以上を欠いた。それでも54勝したチームだ。(ESPN、Land of Basketball)
ただ、ワトソンとハーダウェイJr.の穴は小さくない。ベンチが薄くなった分を差し引いて、昨季から3勝ほど減ると見た。逆にゴードンが60試合以上出られれば、50勝台の半ばも十分ありえる。
シーズンの外では、ヨキッチの契約も気になる。ヨキッチは延長の話し合いを来年の夏に持ち越した。待てば5年約3億5,950万ドルの契約を結べるからだ。9月のメディアデーでは「デンバーに残りたい」と話している。日程と順位はナゲッツのチームページで確認できる。(ESPN、Newsweek)