この記事のポイント
- ラスベガス新球団の加盟料は**約100億ドル**の見込み。アリーナの建設費を入れると120億〜130億ドル規模
- 最後の拡張(2004年ボブキャッツ)の加盟料3億ドルの**約33倍**
- オーナーの座は3グループが争う。デビューは当初の2028-29から2029-30にずれる可能性
- 加盟料は既存のオーナーに入るお金。単純に30球団で割れば1球団あたり約3.3億ドル
- 2球団増えれば、本契約とツーウェイを合わせて**選手の枠が最大36増える**
数字で見るラスベガス新球団(報道ベース)
ラスベガス新球団の加盟料の見込み
前回(2004年ボブキャッツ)の加盟料3億ドルと比べて
オーナーの座を争う最終候補
2球団増えたときに増える選手の枠(本契約15+ツーウェイ3、×2)
大詰めを迎えたラスベガスの新球団
NBAは2026年3月のオーナー会議で、シアトルとラスベガスへの球団拡張の検討を全会一致で承認した。それから半年。ラスベガスについては、オーナーの座を争う候補が3グループに絞られたと、ESPN、SLAM、Hoops Rumorsなどが報じている。
ESPNのラモナ・シェルバーン記者によると、新球団の加盟料はおよそ100億ドル。オーナーはこれとは別に、新しいアリーナの建設に20億〜30億ドルを使うとみられる。合わせると120億〜130億ドル規模の買い物だ。アダム・シルバー・コミッショナーは、年内に拡張の採決をしたい考えだという(Hoops Rumors)。
数字で見ると:前回の33倍
NBAで最後に球団が増えたのは2004年。シャーロット・ボブキャッツ(現ホーネッツ)が30番目の球団として加わったときの加盟料は3億ドルだった。その前の1995年、ラプターズとグリズリーズは1億2,500万ドル、1988〜89年の4球団は3,250万ドルだ。
100億ドルは、ボブキャッツの約33倍にあたる。20年あまりでここまで上がったのは、NBAの球団そのものの価値が大きく上がったからだ。特に大きいのが、2025-26から始まった新しい放映権契約で、リーグ全体の収入が大きく増えた。“NBAの球団を持つ権利”は、いまや世界でも指折りの高い資産になっている。
ちなみに、サイトで解説しているチームの総年俸は、1球団あたり2億ドル前後(「ぜいたく税ラインを超えた13チーム」)。100億ドルの加盟料は、その約50年分にあたる。
NBAの加盟料の移り変わり(1球団あたり)
100億ドルは誰に入るのか
加盟料は、新しく仲間に入る“入会金”のようなもので、既存の球団のオーナーたちが受け取る。仮に30球団で均等に分ければ、1球団あたり約3億3,000万ドル。前回の拡張で入った加盟料をまるごと上回る額が、1球団ごとに入ってくる計算だ。
オーナーにとっては大きな臨時収入だが、デメリットもある。放映権料などリーグ全体の収入を分け合う相手が、30球団から32球団に増えることだ。それでも拡張に前向きなのは、目の前の加盟料に加えて、ラスベガスという巨大な観光地に球団ができることで、リーグ全体の価値がさらに上がると見ているからだろう。
一方で、ラスベガスの課題はアリーナだ。既存のT-モバイル・アリーナは、NBAの試合を毎日のように開くには約4億ドルの改修が必要とされ、候補のなかには新アリーナの建設を打ち出しているグループもある(Hoops Rumors)。
最終候補の3グループ
報道された最終候補は次の3つだ。1つ目は、NHLゴールデンナイツのオーナー、ビル・フォーリー氏と、元サンズのオーナー、ジェリー・コランジェロ氏のグループ。2つ目は、ウォルマート創業家のナンシー・ウォルトン・ローリー氏と、夫で元NHLブルースのオーナー、ビル・ローリー氏のグループ。3つ目は、元バックスの共同オーナー、マーク・ラスリー氏と、カナダの実業家スティーブ・アポストロプロス氏らのグループだ(ESPN、SLAM、Casino.org)。
ラスベガスはすでにNHLのゴールデンナイツ、NFLのレイダース、WNBAのエーシズが本拠地を置き、MLBのアスレチックスも移転を予定している。プロスポーツの町としての実績はそろっており、残る問題はほぼ“誰が、どこで”だけと言っていい。
シアトルは、NHLクラーケンのオーナー、サマンサ・ホロウェイ氏のグループが有力とされ、評価額は約60億ドルと報じられている。2008年にソニックスがオクラホマシティ(現サンダー)へ移って以来の“復活”になるが、決定はラスベガスより後になる見込みだ(NBC Sports)。
ラスベガスとシアトル、2つの候補地
日本のファンにとっての意味
日本のファンにとって、いちばん身近な変化は選手の“席”が増えることだ。1球団は本契約15人とツーウェイ3人の、最大18人を抱えられる。2球団増えれば、NBAでプレーできる枠は単純計算で36増える。キャンプ契約から開幕ロスター入りを目指す河村勇輝のような選手にとって、これは大きい(「河村勇輝はクリッパーズの開幕ロスターに入れるか?」)。
観戦の面でも、ラスベガスは日本からの旅行先として人気がある。毎年7月にはサマーリーグが開かれ、NBAカップの終盤戦もラスベガスで行われている。そこに本拠地の球団ができれば、観光と組み合わせたNBA観戦がもっと身近になる。観戦旅行の費用感は「NBA観戦旅行はいくらかかる?」で紹介している。
ただし、デビューは当初の2028-29から2029-30にずれる可能性がある(The Athletic)。新球団の選手は、既存の30球団から選手を引き抜く「エクスパンション・ドラフト」で集めるのが通例で、各チームのロスター作りにも影響する。正式な決定が出たら、このサイトで続報をまとめる。
この先の流れ(予定)
- 12026年3月
オーナー会議が、ラスベガスとシアトルへの拡張の検討を全会一致で承認。
- 22026年内
アダム・シルバー・コミッショナーは年内の採決を目指す。ラスベガスのオーナーも決定へ。
- 3デビューの前年
既存の30チームから選手を選ぶ「エクスパンション・ドラフト」などで新チームを作る。
- 42028-29か2029-30
新球団がデビュー。当初の目標は2028-29だったが、1年遅れる可能性が報じられている。