この記事のポイント
- 締め切りの約1時間前に合意。来夏の制限付きFAになる前に、**5年分を先に固めた**
- 昨季は出た試合で41勝24敗、欠場した試合で3勝14敗。**勝ちのほぼすべてがミラーの出た試合**
- 右手首と左肩で手術が2回。5年の延長は、けがのリスクも一緒に背負う
- ボールとブリッジズを出したホーネッツは、ミラーをエースに据えて組み直した
- 同期で最大額のウェンバンヤマより約4,600万ドル低く、アメン・トンプソンとほぼ同じ額
数字で見るミラーの延長(1ドル=158円で換算)
延長5年の総額(約330億円)
昨季、ミラーが出た試合のチームの成績
昨季、ミラーが欠場した試合のチームの成績
この2年に受けた手術(右手首と左肩)
締め切りの1時間前、5年2.09億ドルで合意
ホーネッツのブランドン・ミラーが、5年2.09億ドル(約330億円)の延長に合意した。現地10月19日、ESPNのシャムズ・シャラニア記者が代理人の話として伝えた。2023年ドラフト組の延長は、この日の夕方5時(米中部時間)が締め切りだった。合意はその約1時間前だった。
ミラーは23歳のフォワードで、2023年のドラフト2位で入団した。今季はルーキー契約の最後の年で、年俸は約1,510万ドル(約24億円)。延長は2027-28から始まる。1年あたりにすると約4,180万ドル(約66億円)になる。
まとまらなければ、来夏は制限付きFAになるところだった。制限付きFAは、他チームと交渉できる一方、元のチームが同じ条件を出せば残せる仕組みだ。ただ、額は他チーム次第で上がり、交渉も長引く。ホーネッツはその前に、5年分を先に固めた。同じ締め切りで、ウィザーズのクリバリらは合意できず、来夏の制限付きFAに進む。
シャムズ・シャラニア記者が伝えたミラーの延長
ミラーが出れば41勝24敗、出なければ3勝14敗
昨季のミラーは65試合に出て、平均20.2点、4.9リバウンドを残した。3ポイントの成功率は38.3%。得点だけでなく、シュートの効率もそろって上がった。ルーキーの年は新人王の投票で3位だった。けがで終えた2年目をはさみ、3年目でようやく、エースとしての1年を通した形だ。
目を引くのは、出た試合と出ない試合の差だ。ミラーが出た65試合は、41勝24敗で勝率6割3分。欠場した17試合は3勝14敗で、勝率は2割を切る。82試合に直すと、出た試合のペースは約52勝だ。欠場した試合のペースは、約14勝にとどまる。
ホーネッツは昨季、開幕前の予想を大きく上回った。新人のコン・クニッペルとともにプレーインまで進み、2試合目で敗れた。勝ち星のほとんどが、ミラーが出た試合で生まれている。数字のうえでは、延長をためらう理由は少ない。
昨季のホーネッツの勝ち星のうち、ミラーが出た試合の分
- ミラーが出た試合での勝ち93%
41勝
- ミラーが欠場した試合での勝ち7%
3勝
この2年で、右手首と左肩の手術
不安はけがだ。2年目の2025年1月、右手首のじん帯を痛めて手術を受け、そのままシーズンを終えた。この年の出場は27試合だけだった。昨季は開幕2戦目で左肩を亜脱臼し、13試合を欠場した。11月下旬に戻ってからは、主力として出続けた。ただ5月には、左肩の不安定さを治す手術を受けている。今季のプレシーズンは3試合に出て、ESPNは完全に回復したと伝えている。
つまり2年続けて、体にメスを入れている。延長は2031-32シーズンまで続く。肩をまた痛めれば、1年約66億円が重くのしかかる。ホーネッツはそのリスクを承知で、この額を出したことになる。
来夏まで待つ手もあった。今季の出場を見てから決められるからだ。ただ、今季も平均20点を超えて元気なら、他チームはもっと高い額を示すだろう。ホーネッツは、けがの不安が残るいまのほうが安く結べると読んだのだと思う。
ボールもブリッジズも出し、ミラーを軸に
今オフのホーネッツは、チームを大きく組み替えた。6月にラメロ・ボールをティンバーウルブズへ、マイルズ・ブリッジズをサンズへ出した。ボールの見返りは、ナズ・リードと将来の1巡目指名権などだった。
ボールは、球団で最も大きい5年約2.04億ドルの契約を結んでいた。それでも6シーズンで、一度もプレーオフに届かなかった。ブリッジズは、在籍がいちばん長い選手だった。2人を出したことで、チームの顔ははっきりミラーに移った。残る軸は、ミラーと2年目のクニッペルだ。ボールの見返りで来たリードは、先発に回る可能性がある。
Hoops Rumorsは、ホーネッツには先まで保証した年俸が少ないと指摘している。大きな額を払える余白を、ミラーのために空けておいた形だ。総額もボールの5年約2.04億ドルとほぼ同じで、エースの給料をそのまま引き継いだ形だ。年俸の内訳はホーネッツの年俸一覧で見られる。
最大額より低く、同期のアメンとほぼ同じ額
2023年ドラフト組の延長で、2.09億ドルは2番目に大きい。いちばん上はスパーズのウェンバンヤマだ。最大額の延長で、約2.55億ドルと見込まれている。ミラーはそれより約4,600万ドル低い。
近いのは、ロケッツのアメン・トンプソンの5年2.08億ドルで、差は100万ドルだけだ。ジャズのキヨンテ・ジョージは1.575億ドル、ウォリアーズのポジェムスキーは1.1億ドルだった。ミラーとアメンは、どちらも最大額の約8割で結んだことになる。ポジェムスキーの延長は「ポジェムスキーに5年1.1億ドルは高いのか?」で整理した。
最大額まで出さなかったのは、けがの分を差し引いたとも読める。逆に言えば、健康なら割安になる額だ。延長が始まる2027-28に、ミラーは25歳になる。選手として一番いい時期を、まるごと押さえる契約でもある。今季は約1,510万ドルのまま戦えるので、まずは何試合に出られるかが見どころになる。開幕戦は、日本時間10月22日のネッツ戦だ。チームの情報はホーネッツのチームページに、延長の仕組みは「NBAサラリーキャップの仕組み」にまとめている。
2023年ドラフト組の延長、1年あたりの額
参考にした情報源
- ESPN:Hornets, Brandon Miller agree to 5-year, $209M rookie extension
- Hoops Rumors:Brandon Miller, Hornets Agree To Five-Year Extension
- Hoops Rumors:October 19 Is The Deadline For Players To Sign Rookie Scale Extensions
- theScore:Hornets, Miller agree to 5-year, $209M extension
- NBA.com:Reports: Thunder extend All-Defensive guard Cason Wallace
- AP(WTOP):Hornets trade LaMelo Ball, Josh Green to Timberwolves for Naz Reid, draft picks
- AP(ABC News):Hornets send Miles Bridges to Phoenix Suns as offseason shakeup continues
- Bullets Forever:Wizards, Coulibaly don’t reach rookie-scale extension
