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MVPは8年連続で“アメリカ国外生まれ”|2026-27も本命4人はすべて海外出身

ー ヤニス、ヨキッチ、エンビード、SGA——世界のスターがNBAの頂点を独占する理由 ー

2025-26シーズンのMVPは、カナダ出身のシェイ・ギルジャス=アレクサンダー。これで**8シーズン続けて、アメリカ国外で生まれた選手がMVPに選ばれた**。今季の本命とされる4人も、全員が海外出身だ。NBAの頂点が“世界の選手”のものになった流れを、データと各国代表の強さから整理する。

この記事のポイント

  • MVPは2018-19から**8シーズン連続でアメリカ国外生まれ**の選手
  • 2025-26のMVP投票はトップ3(SGA、ヨキッチ、ウェンバンヤマ)が全員海外出身
  • オールNBA1stチームも5人中4人が海外出身。アメリカ出身はカニングハムだけ
  • 2025-26開幕時の海外出身選手は**135人・43か国**で過去最多(国の数は最多タイ)
  • 2026-27の本命4人(ウェンバンヤマ、SGA、ヨキッチ、ドンチッチ)もすべて海外出身

数字で見る“世界のNBA”

8年連続

アメリカ国外生まれの選手がMVP(2018-19〜2025-26)

4/5人

2025-26オールNBA1stチームのうち海外出身

135人

2025-26開幕時の海外出身選手(過去最多)

43か国

海外出身選手の国・地域の数(最多タイ)

アメリカ出身の最後のMVPは、2018年のハーデン

NBAのMVPを最後に受賞したアメリカ出身の選手は、2017-18シーズンのジェームズ・ハーデンだ。翌2018-19からは、ギリシャのヤニス・アデトクンボが2年連続で受賞。続いてセルビアのニコラ・ヨキッチ、カメルーン出身のジョエル・エンビード(のちに米国籍も取得)、カナダのシェイ・ギルジャス=アレクサンダー(SGA)と、8シーズン続けてアメリカ国外で生まれた選手がMVPに輝いている。

それ以前の海外出身のMVPは、1994年のアキーム・オラジュワン(ナイジェリア出身)、2005年と2006年のスティーブ・ナッシュ(カナダ)、2007年のダーク・ノビツキー(ドイツ)くらいしかいなかった。数十年に一度だった“海外出身MVP”が、今では毎年の当たり前になった。

2025-26のMVP投票を見ても、1位SGA、2位ヨキッチ、3位ビクター・ウェンバンヤマ(フランス)と、トップ3がすべて海外出身。オールNBA1stチームも、5人のうち4人(SGA、ウェンバンヤマ、ドンチッチ、ヨキッチ)が海外出身で、アメリカ出身はピストンズのケイド・カニングハムだけだった。

8年連続の“海外出身MVP”

国は出身国。FIBA順位は2026年3月時点の男子世界ランキング(「FIBA世界ランキングで読むNBA勢力図」より)
MVP
出身国(FIBA順位)
2018-19
ヤニス・アデトクンボ
ギリシャ(12位)
2019-20
ヤニス・アデトクンボ
ギリシャ(12位)
2020-21
ニコラ・ヨキッチ
セルビア(3位)
2021-22
ニコラ・ヨキッチ
セルビア(3位)
2022-23
ジョエル・エンビード
カメルーン(米国籍も取得)
2023-24
ニコラ・ヨキッチ
セルビア(3位)
2024-25
シェイ・ギルジャス=アレクサンダー
カナダ(5位)
2025-26
シェイ・ギルジャス=アレクサンダー
カナダ(5位)

MVPの国は、FIBAランキングの上位国

MVPを生んだ国を、FIBAの男子世界ランキング(2026年3月時点)と並べると、セルビアが3位、カナダが5位、ギリシャが12位。ウェンバンヤマのフランスは4位、ドンチッチのスロベニアは14位に入っている。上位国とNBAのスターの関係は「FIBA世界ランキングで読むNBA勢力図」で詳しく見た。

興味深いのは、ヨキッチやドンチッチのように、国の規模に関係なく“1人の天才”が生まれていることだ。人口約700万人のセルビア、約200万人のスロベニアから、リーグ最高の選手が出てくる。一方でカナダやフランスは、選手の数そのものが多い。生まれ方は国によって違うが、どちらもNBAの頂点に届いている。

海外出身の選手は135人。カナダとフランスが“二大供給国”

NBAの発表によると、2025-26シーズンの開幕時には135人の海外出身選手が各チームのロスターに入っていた。出身の国と地域は43。人数は過去最多、国の数は最多タイの記録だ。30チームすべてに少なくとも1人の海外出身選手がいて、ホークスは最多タイの10人を抱えていた。

国別ではカナダが23人で最も多く、フランスが19人で続く。フランスの19人は同国の過去最多で、ウェンバンヤマ、ゴベア、リサシェー、サールと、上位指名の若手が次々とNBAに入っている。ヨーロッパ出身は71人で、こちらも過去最多だった。

2026-27シーズンの開幕時の人数は、10月下旬の開幕に合わせてNBAから発表される予定だ。今年のドラフトでも海外の選手が指名されており、記録が更新されるかが注目される。

NBAの海外出身選手が多い国(2025-26開幕時)

NBA公式発表。開幕時のロスターに入っていた海外出身選手の人数
カナダ
23人
フランス
19人
オーストラリア
13人

なぜ海外出身のスターが頂点に立つのか

理由の一つは、育ち方の違いだ。ヨーロッパの多くの国では、10代のうちからプロのクラブで大人と試合をする。ヨキッチやドンチッチは、NBAに来る前から欧州のトップリーグで戦い、パスや試合の読みを身につけていた。大きな選手がボールを運び、パスで試合を組み立てるというスタイルは、こうした環境から生まれてきた。

もう一つは、NBA自体が世界中の才能を探すようになったことだ。スカウトの目は世界中に広がり、海外の10代の選手がドラフトの上位で指名されるのも珍しくなくなった。カナダのように、国内の育成の仕組みを整えて選手の数を増やした国もある。

もちろん、アメリカがバスケットボールの中心であることは変わらない。NBA選手の大半は今もアメリカ出身で、代表チームも世界ランキング1位だ。ただ“いちばん上”の争いに限れば、ここ数年は世界の選手が主役になっている。

2026-27も“9年連続”が濃厚。その先にはW杯2027

今季のMVPレースで本命に挙がっているのは、ウェンバンヤマ(フランス)、SGA(カナダ)、ヨキッチ(セルビア)、ルカ・ドンチッチ(スロベニア)の4人。全員が海外出身で、このうち誰かが受賞すれば9年連続になる。予想の詳細は「2026-27 NBAアワード予想」にまとめた。

アメリカ出身で対抗に入るのは、昨季オールNBA1stチームのケイド・カニングハムや、ティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズ、セルティックスのジェイソン・テイタムあたりだ。誰かがこの流れを止めるのか、それとも記録が伸びるのかも、今季の見どころの一つになる。

そして2027年の夏には、カタールでFIBAワールドカップが開かれる。NBAのMVPを争うスターたちが、今度は自分の国の代表として顔を合わせる舞台だ。日本代表の現在地は「世界ランキングで日本は?」で整理している。

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