この記事のポイント
- タウンズの延長の上限は**4年約2億7,600万ドル**。ニックス側は約2億ドルを妥当とみる(報道ベース)
- 差は約7,600万ドル。1年あたりにすると約1,900万ドル
- ニックスの総年俸は2ndエプロンまで約330万ドル。**タウンズの次の契約で主力4人を残せるかが決まる**
- 昨季のタウンズは平均20.1点・11.9リバウンド。一昨季(24.4点)から数字は下がった
- 延長の期限は2027年6月30日。交渉はシーズン中も続く見込み
数字で見るタウンズの延長交渉(報道ベース)
タウンズが結べる延長の上限(4年)
ニックス側が妥当とみる額(4年、NY Post)
両者の差(1年あたり約1,900万ドル)
ニックスの総年俸から2ndエプロンまでの余白(サイトの計算)
王者ニックスで止まった延長交渉
2026年に53年ぶりの優勝を果たしたニックスで、主力の契約をめぐる交渉が止まっている。センターのカール=アンソニー・タウンズの延長だ。ESPNのシャムズ・シャラニア記者は「話し合いは友好的だが、最近はまったく動きがない」と伝え、トレーニングキャンプが始まっても合意には至っていない(Yahoo Sports)。
タウンズ本人は以前から「もちろんここに残りたい。お金以上の意味がある」と話しており、ニックスも残したい考えだ。それでも合意できないのは、どれだけ割り引くかで両者の考えが大きく離れているからだ。
上限2.76億ドルと、ニックスの2億ドル
報道によると、タウンズが結べる延長の上限は4年約2億7,600万ドル(1年あたり約6,900万ドル)。一方、ニューヨーク・ポストのステファン・ボンディ記者は、妥当なのは4年約2億ドルだと報じた。ニックスが話し合ってきたのは、1年目が4,500万〜5,000万ドルの延長だという(Hoops Rumors、Yahoo Sports)。
差は約7,600万ドル、1年あたりにすると約1,900万ドルだ。タウンズの今季の年俸は約5,710万ドルなので、ニックス案はいまより1年あたり700万〜1,200万ドルほど下がる計算になる。タウンズは「上限より安くてもいい」と考えているとされるが、さすがに今より大きく下がる契約には簡単にうなずけない。
ニックスがここまで強気なのには理由がある。サイトのニックスの年俸一覧(9月29日時点)を見ると、タウンズ、アヌノビー、ブランソン、ブリッジズの4人だけで約1億7,080万ドル。チームの総年俸(約2億1,840万ドル)の約78%を占めている。
ニックスの年俸上位5人(2026-27)
カギは「2ndエプロン」までの330万ドル
今季のニックスの総年俸は、補強が大きく制限される1stエプロン(2億902万ドル)をすでに超えている。さらに上の2ndエプロン(2億2,169万ドル)までは、サイトの計算で約330万ドルしか余白がない。仕組みは「ぜいたく税ラインを超えた13チーム」で詳しく解説している。
ESPNのブライアン・ウィンドホースト記者は、タウンズが2027-28のプレーヤーオプション(約6,100万ドル)をそのまま使うと、ニックスは2ndエプロンを超えてしまうと指摘し、「タウンズの選択が、ニックスの主力を残せるかを決める」と話した。2ndエプロンを超えると、トレードで複数の選手の年俸を合わせることができなくなり、7年後のドラフト1巡目指名権も交換に使えなくなる。優勝メンバーをそのまま残すことが、制度の上で難しくなるのだ。
しかも来夏には、ブランソンとアヌノビーも延長を結べるようになる(Hoops Rumors)。ニックスにとってタウンズの契約は、1人の年俸の話ではなく、優勝チームを何年続けられるかの話になっている。
タウンズの上限と、ニックス側の考え
数字で見るタウンズの“いま”
ニックスが割引を求める背景には、タウンズの数字の変化もある。ニックス1年目の2024-25は平均24.4点・12.8リバウンド、3P成功率42.0%でオールNBA3rdチームに選ばれた。ところが2025-26は平均20.1点・11.9リバウンド、3P成功率36.8%に下がった。出場時間も35.0分から31.0分に減っている(Basketball Reference)。
もちろん、出場時間が減ったのはチームの方針もあり、75試合すべてに先発してオールスターにも選ばれた。優勝に欠かせない選手だったことは間違いない。ただ、タウンズは11月で31歳になる。4年の延長を結べば、最後のシーズンは35〜36歳だ。30代後半の年俸をどこまで保証するかは、どのチームでも慎重になる部分だ。
同じニックスでも、ブランソンは2024年に上限よりかなり安い延長にサインし、浮いたお金で仲間を集めた(ニックスの強さの秘訣)。ニックスはタウンズにも“チームのための割引”を期待しているように見える。
この先のシナリオと見どころ
延長の期限は2027年6月30日で、交渉はシーズン中も続けられる。考えられる結末は大きく3つだ。1つ目は、両者が歩み寄って4年2億ドル台前半から半ばで合意する形。2つ目は、合意できないままシーズンを終え、タウンズがオプションを使って2027-28も約6,100万ドルでプレーする形。この場合、ニックスは2ndエプロンを避けるためにほかの選手を動かす必要が出てくる。
3つ目は、オプションを破棄してFAになる形だ。Hoops Rumorsの試算では、FAで結べる契約の上限は4年約2億6,690万ドル。ただ、上限に近い額を出せるキャップの余白を持つチームは多くない。ヨキッチの例(「ヨキッチはなぜ延長にサインしないのか?」)と同じく、制度のなかで“いつ、どの形でサインするか”が、金額とチームの将来を大きく左右する。
シーズン中にニックスが勝ち続ければ、タウンズの立場は強くなる。逆に出場時間や数字がさらに下がれば、ニックスの提示に近づくだろう。FAの基本は「NBAのFAとは?」で解説している。合意の報道が出たら、このサイトで続報をまとめる。
これからの期限
- 12026-27シーズン
年俸約5,710万ドル。延長の交渉はシーズン中も続けられる。
- 22027年6月30日 延長の期限
ここまでに延長を結ばなければ、延長の権利はなくなる。
- 32027年6月 オプションの判断
2027-28の約6,100万ドルを受け取るか、破棄してFAになるか。
- 42027年夏 FAなら
4年で最大約2億6,690万ドルの見込み(Hoops Rumors)。ニックス以外とも交渉できる。