この記事のポイント
- 1967年10月14日、ニューヨーク・ブロンクス生まれ
- 新聞記者として76ersなどを取材し、2003年にESPNへ
- 朝の討論番組「First Take」の顔として知られる
- 2025年、ESPNと5年総額1億ドルとされる契約を結んだ
数字で見るスティーブン・A
2025年に結んだESPNとの5年契約(報道)
ESPNに加わる
「First Take」のレギュラーに
スティーブン・A・スミスのプロフィール
スティーブン・A・スミス(Stephen A. Smith)は、1967年10月14日にニューヨークのブロンクスで生まれ、クイーンズで育った。大学は、ノースカロライナ州にある歴史的黒人大学(HBCU)のウィンストン・セーラム州立大学だ。
もともとは新聞記者で、フィラデルフィア・インクワイアラーなどで76ersをはじめとするNBAを取材していた。2003年にESPNへ移り、テレビとラジオで存在感を高めていく。いまでは「ESPNでいちばん有名な声」と言われることもある。
「First Take」とはどんな番組か
スティーブン・Aの代名詞が、ESPNの朝の討論番組「First Take」だ。2012年からレギュラーとして出演している。毎朝、その日の話題について出演者が賛成と反対に分かれ、言い合う形で番組が進む。
ポイントは、意見がぶつかること自体が番組の売りだという点だ。どちらかが「この選手は過大評価だ」と言い切り、もう一方が反論する。見ている側は「そこまで言う?」と思いながら見てしまう。スティーブン・Aは、このスポーツ討論番組というジャンルを広めた人物とされている。
なぜあんなに怒っているように見えるのか
切り抜き動画だけを見ると、いつも本気で怒っているように見える。だが、強い言い方は番組の中での役割でもある。はっきり言い切るから議論が盛り上がり、その場面が切り抜かれて広まる。
ここで大事なのは、スティーブン・Aの発言は「ニュース」ではなく「意見」だということ。シャムズ・シャラニアのような記者(インサイダー)は、トレードや契約といった起きた事実を速報する。一方のスティーブン・Aは、起きたことに対して「自分はこう思う」を語る人だ。同じESPNの有名人でも、役割はまったく違う。
記者(インサイダー)とコメンテーターの違い
レブロンとの因縁:コートサイドで詰め寄られた夜
スティーブン・Aの名前が日本でも広く出回ったのが、レブロン・ジェームズとの一件だ。きっかけは2025年1月。スティーブン・Aは番組で、レブロンの息子ブロニーが出場時間をもらっていることを批判し、NBAのレベルにないと語っていた。
2025年3月6日(現地)、レイカーズ対ニックスの試合中、コートサイドに座っていたスティーブン・Aのもとにレブロンが歩み寄り、険しい表情で何かを伝える映像が広まった。翌日の「First Take」でスティーブン・Aは、レブロンに言われたのは息子についての発言のことだったと説明し、「あれはバスケットボール選手ではなく、父親として詰め寄ってきたんだ」と語った。
辛口の批評で知られる人物と、リーグの顔である選手の衝突は、まさに切り抜き動画向きの場面だった。レブロンのその後については、時事解説のレブロンが最低年俸で76ersに加わった意味も参考になる。
ESPNとの1億ドル契約
2025年3月には、ESPNと5年総額1億ドル、年に最大2,000万ドルとされる新契約を結んだと報じられた。それまでの年1,200万ドルから大幅に上がり、ESPNの出演者の中で最も高い報酬になったとされる。
新契約では「First Take」は続ける一方、NBAの試合前番組の看板からは外れ、ほかの出演も減らせる内容だと伝えられた。言い換えれば、それだけ「スティーブン・Aが話すこと」自体に価値があると、ESPNが判断したということだ。
切り抜き動画はどう楽しめばいいか
スティーブン・Aの動画は、NBAの話題を「いま何が議論されているか」という角度から知るには便利だ。ただし、字幕付きの切り抜きは一部分だけを抜き出していることが多く、前後の流れや皮肉が伝わらないこともある。
おすすめは、エンタメとして楽しみつつ、事実はニュースで確かめること。たとえば「この選手はトレードされるべきだ」という発言は、スティーブン・Aの意見であって、トレードの話が実際に進んでいるという意味ではない。実際の動きは、NBAのインサイダーたちの速報や、チームの公式発表で確認しよう。
