NBAの仕組みリーグ解説 / 基礎知識

NBAのGリーグとは?河村勇輝が向かう下部リーグの仕組み

ー NBAの30球団がそれぞれ持つ“育成と控え”のためのリーグ ー

河村勇輝の契約解除のニュースで、また「Gリーグ」という言葉を見かけるようになった。NBAの下部リーグと言われても、だれがどんな契約でプレーしているのかは分かりにくい。今季の日程と年俸、選手がGリーグに来る道筋、河村とナゲッツの傘下チームの例で仕組みを整理した。

hsのアイコン書いた人: hs(NBA.Navi 運営者・ナゲッツファン・推しはアーロン・ゴードン)

この記事のポイント

  • GリーグはNBAが運営する下部リーグ。今季は31チームで、30チームがNBA球団の傘下
  • 選手の入り口は、NBAからの派遣・ツーウェイ契約・キャンプで解除された選手の受け皿など複数ある
  • 標準の年俸は約4.6万ドルで、ツーウェイ契約(約67.9万ドル)とは大きな差がある
  • 河村勇輝は、クリッパーズ傘下のサンディエゴ・クリッパーズに加わる見込みと報じられている
  • NBA選手の半分以上がGリーグを経験している

数字で見るGリーグ(2026-27、1ドル=158円で換算)

31チーム

今季のチーム数。うち30チームがNBA球団の傘下

50試合

1チームの試合数(NBAは82試合)

51%

昨季の開幕時、NBAの選手のうちGリーグでプレーした経験がある割合

約1,440万円

キャンプで契約解除された選手が傘下に60日いると出るボーナス(9万1,000ドル)

GリーグはNBAが運営する下部リーグ

Gリーグは、NBAが自分で運営している下部リーグだ。野球でいえば、メジャーリーグの下にあるマイナーリーグに近い。NBAの球団がそれぞれ傘下のチームを1つずつ持ち、若手を育てたり、控えの選手を試合に出したりする場になっている。

今季(2026-27)は31チームで、そのうち30チームがNBA球団の傘下だ。残りの1チームは、どこの傘下でもないメキシコシティ・キャピタネス。2001年に「NBDL」として始まり、2017年に飲料メーカーのゲータレードと組んで今の名前になった。Gリーグの「G」は、このゲータレードの頭文字だ。

1クォーター12分、ショットクロック24秒という基本はNBAと同じ。そのうえで、NBAより前に新しいルールを試す場にもなっている。たとえばフリースローは、ファウル1回につき1本だけ打ち、決めれば2点か3点になる(試合の最後の2分と延長を除く)。延長戦は時間で区切らず、同点のスコアに7点を足した点数に先に届いたチームが勝つ。

NBAとGリーグの違い

年俸は2026-27の数字。Gリーグの標準年俸は昨季の4万5,000ドルに、労使協定で決まった3%の上げ幅をかけた計算
NBA
Gリーグ
チーム数
30チーム
31チーム
1チームの試合数
82試合
50試合
入れる年齢
19歳から
18歳から
いちばん安い年俸
約135万ドル(新人)
約4.6万ドル
フリースロー
ファウルの数だけ打つ
1本で2点か3点(最後の2分と延長以外)

Gリーグの選手は、どんな契約でプレーしているのか

Gリーグにいる選手は、大きく3つに分かれる。1つ目は、NBAの契約のまま傘下へ送られてくる選手だ。これを「アサインメント(派遣)」と呼び、NBAの球団はいつでも呼び戻せる。2024-25シーズンには、109人がのべ481回派遣された。

2つ目は、ツーウェイ契約の選手だ。NBAの試合に50試合まで出られて、残りは傘下のGリーグでプレーする。今季の年俸は67万8,882ドルで、NBAの新人の最低年俸のちょうど半分になる。仕組みは「NBAのツーウェイ契約とは?」で詳しく書いている。

3つ目が、Gリーグとだけ契約している選手だ。標準の年俸は昨季が4万5,000ドルで、毎年3%ずつ上がる取り決めになっている。今季は約4万6,000ドル(約730万円)の計算だ。NBAの最低年俸の約30分の1で、同じコートを目指す選手の間でもここまで差がある。

NBAのキャンプで解除された選手の受け皿

3つ目の選手の多くは、NBAのトレーニングキャンプから流れてくる。キャンプには各球団が最大21人を集められるが、開幕のロスターに残れるのは本契約15人とツーウェイ3人まで。あふれた選手は、開幕前に契約を解除される。

このとき球団は、解除した選手を「アフィリエイト選手」として傘下のGリーグに残せる。1球団が指定できるのは5人まで(2025年の協定で4人から増えた)。選手はGリーグと契約し、NBAの球団はその選手を手元で育て続けられる。

選手の側にもお金の上乗せがある。キャンプ用の「エグジビット10」という契約で解除された選手が、傘下のチームに60日以上いれば、NBAの球団からボーナスが出る。今季の額は9万1,000ドル(約1,440万円)で、Gリーグの年俸の2倍近い。

2026-27シーズンのGリーグの流れ

日付は現地時間。Gリーグ公式の日程発表による
  1. 1
    11月6日

    開幕。まずは地区ごとのティップオフ・トーナメントを14試合

  2. 2
    12月19〜22日

    オーランドでウインター・ショーケース。トーナメントの優勝チームが決まる

  3. 3
    12月下旬〜

    成績をリセットして、36試合のレギュラーシーズン

  4. 4
    2027年4月

    各カンファレンス上位8チームのプレーオフと、ファイナル

河村勇輝はサンディエゴ・クリッパーズへ

この仕組みがそのまま当てはまるのが、河村勇輝だ。河村はエグジビット10でクリッパーズのキャンプに参加し、10月12日(現地)に契約を解除された。米メディアは、ほかの球団からの獲得の申し出がなければ、傘下のサンディエゴ・クリッパーズに加わる見込みだと報じている。ただ、正式な発表はまだない。

サンディエゴに60日いれば、上で書いた9万1,000ドルのボーナスの対象になる。クリッパーズのツーウェイ枠は3つのうち1つが空いていて、シーズン中に呼ばれる道も残る。解除の経緯は「契約解除の河村勇輝に、NBAへ戻る道は残っているか」にまとめた。

河村にとって、Gリーグは初めての場所ではない。昨季はブルズとのツーウェイ契約で、傘下のチームで11試合に出て平均18.7点・11.0アシストを記録した。NBAより出場時間が長いぶん、司令塔として試合を動かす力を見せやすい舞台だ。最新の状況は日本人NBA選手まとめで追っている。

ナゲッツの傘下はミシガン州のグランドラピッズ・ゴールド

傘下のチームは、本拠地の近くにあるとは限らない。ナゲッツの傘下はグランドラピッズ・ゴールドで、本拠地はミシガン州のグランドラピッズだ。デンバーからは、飛行機で移動する距離になる。今季は11月7日、ホームのヴァン・アンデル・アリーナでスーフォールズ・スカイフォースと開幕戦を戦う。

逆に、本拠地の近くへ移す球団もある。今季はペリカンズの傘下が、アラバマ州のバーミングハムからニューオーリンズ近郊のケナーへ移った。名前もレイクタウン・スクワドロンに変えた。ペリカンズは、選手の育成やチームの運営を近くでまとめやすくなることを理由に挙げている。レイカーズの傘下も、今季からコーチェラ・バレー・レイカーズとして新しい本拠地で戦う。

Gリーグは、NBAへの近道になっている

Gリーグは「NBAに入れなかった選手のリーグ」ではない。昨季の開幕時点で、NBAのロスターにいた選手の51%がGリーグでのプレー経験を持っていた。前の季と並んで、過去最多の割合だ。

Gリーグの選手がNBAと契約することを「コールアップ」と呼ぶ。2024-25シーズンには79回のコールアップがあった。過去最多は2021-22シーズンの164回。新型コロナで欠場者が相次いだシーズンだった。

日本人では、渡邊雄太がこの道を通った。2018年にグリズリーズとツーウェイ契約を結び、傘下のメンフィス・ハッスルと行き来しながら経験を積んだ。そして2021年、ラプターズで本契約をつかんだ。

よくある質問

Q. Gリーグの選手は、すぐにNBAの試合に出られる? NBAの契約で派遣されている選手とツーウェイ契約の選手は、球団が呼び戻せばすぐに出られる。Gリーグとだけ契約している選手は、NBAの球団と新しく契約(10日間契約など)を結んでからになる。

Q. 何歳からプレーできる? Gリーグは18歳から入れる。NBAは19歳からなので、高校を出てすぐにプロでプレーしたい選手の選択肢にもなっている。

Q. ツーウェイ契約とGリーグの契約は何が違う? ツーウェイ契約はNBAの球団との契約で、NBAの試合にも出られる。Gリーグの契約はリーグとの契約で、年俸は約15分の1になる。お金や契約の用語は用語集、今季のNBAの年俸は年俸一覧でも確かめられる。

参考にした情報源

この記事を書いた人

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hsNBA.Navi 運営者

デンバー・ナゲッツを応援するNBAファン。いちばん好きな選手はアーロン・ゴードンで、NBAを見始めたきっかけはYouTubeで見た2016年のダンクコンテスト。NBA.Naviは一人で運営しています。記事の下書きにはAIを使い、運営者が目を通して自分の見方を加えてから公開しています。

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