そもそも「FIBAルール」とは
バスケットボールのルールは、大きく分けて2つある。国際バスケットボール連盟(FIBA)が定める国際ルールと、NBAが独自に定めるルールだ。オリンピックやワールドカップ、そして日本のBリーグは、基本的にFIBAのルールで行われている。
もともと同じ競技なので骨格は共通しているが、試合時間やコートの寸法、ファウルの扱いなど、細かな違いが少なくない。Bリーグや日本代表の試合を見慣れた人ほど、NBAを見たときに違和感を覚えるポイントがある。
NBAとFIBA(Bリーグ)の主な違い
試合時間は1試合で8分長い
もっとも分かりやすい違いは試合時間だ。NBAは1クォーター12分の4クォーター制で、合計48分。FIBAは1クォーター10分で、合計40分になる。延長戦はどちらも5分だ。
NBAのほうが1試合あたり8分長いぶん、選手の出場時間やスタッツも大きくなりやすい。NBAの「1試合平均30得点」と、Bリーグの「1試合平均30得点」は、同じ数字でも意味合いが少し違うことは覚えておきたい。
3ポイントラインはNBAのほうが遠い
3ポイントラインの距離も違う。NBAはゴールからの最長距離が7.24mで、コーナー部分だけ6.71mと短くなっている。FIBAは6.75mで、コーナーは6.60mだ。
NBAの3ポイントは、FIBAより50cm近く遠い位置から打つことになる。国際大会で活躍するシューターがNBAで苦戦したり、逆にNBAの選手が国際大会で3ポイントを量産したりする背景には、この距離の差もある。コート全体の大きさも、NBAは約28.65m×15.24m、FIBAは28m×15mと、NBAのほうがわずかに広い。
3ポイントラインの位置の違い
- NBA
- 正面 7.24m / コーナー 6.71m
- FIBA / Bリーグ
- 正面 6.75m / コーナー 6.60m
ファウルアウトは6つ目、ディフェンス3秒もある
個人ファウルで退場(ファウルアウト)になる数は、NBAが6つ、FIBAが5つだ。NBAでは1つ多くファウルできるぶん、主力選手が早い時間に退場することは比較的少ない。
もう一つNBA独特なのが、ディフェンス3秒ルールだ。守備側の選手が、相手をマークしていない状態でゴール下の制限区域(ペイント)に3秒以上とどまると、テクニカルファウルになる。大きなセンターがゴール下に立ちふさがるだけの守り方を防ぐためのルールで、FIBAにはない。
チームファウルは、どちらも1クォーターで5つ目から相手にフリースローが与えられる。ただしNBAには、各クォーター残り2分で2つ目のファウルからフリースローになる、という独自の規定もある。
リングに当たったボールに触れてよいか
観戦していて混乱しやすいのが、ゴールテンディングの扱いだ。FIBAでは、シュートされたボールがリングに当たった後なら、選手がボールに触れてもよい。一方NBAでは、ボールがリングの真上の空間(シリンダー)にある間は、リングに当たった後でも触れるとゴールテンディングやバスケットインターフェアになる。
Bリーグの試合では、リングの上で跳ねたボールを叩き出すプレーがよく見られるが、同じことをNBAで行うと反則になる。逆にNBAの選手が国際大会に出ると、このルールの違いに戸惑うこともある。
そのほかの違い
タイムアウトの回数は、NBAが1試合に各チーム7回、FIBAは前半2回・後半3回の計5回だ。NBAには、判定に異議があるときにビデオ確認を求められる「コーチズ・チャレンジ」の制度もある。
ショットクロックの24秒と、オフェンスリバウンド後の14秒リセットは、今ではどちらも同じだ。ただしこれはFIBAが2014年に先に導入し、NBAが2018-19シーズンに追いかけたもので、ルールは両者が影響し合いながら変わってきた。
違いを知っておくと、同じ選手がNBAと日本代表でどうプレーを変えているかといった見方もできるようになる。八村塁や河村勇輝が、NBAと国際大会の両方で戦っている姿を見るときにも、ぜひ思い出してほしい。