順位は「年俸」ではなく「ビジネス」で決まる
NBA選手の総資産ランキングを見ると、意外なことに「現役時代にいくら年俸をもらったか」はほとんど順位に関係しない。上位に来るのは、引退後に大きなビジネスを持っている選手たちだ。
現役の年俸は、確かに数億ドル規模になることもある。だがそれ以上に効いてくるのが、引退後のブランド契約、企業オーナー、投資である。コートを降りてからの方が、資産が桁違いに増えるケースが多いのだ。
歴代総資産ランキング TOP5(推定)
1位:マイケル・ジョーダン / 約35億ドル / ナイキ「ジョーダン・ブランド」の印税、元ホーネッツのオーナー
2位:マジック・ジョンソン / 約15億ドル / 映画館・飲食・球団保有など幅広い実業家として成功
3位:ジュニア・ブリッジマン / 約14億ドル / 元バックスの選手。引退後にレストランチェーンやコカ・コーラのボトリング事業で巨万の富を築いた(2025年に逝去)
4位:レブロン・ジェームズ / 約12億ドル / 現役のうちにビリオネア(資産10億ドル超)に到達。ナイキ生涯契約やメディア事業など
5位:シャキール・オニール / 約5〜8億ドル / フランチャイズ経営、テレビ出演、各種スポンサー契約
なぜジョーダンがダントツの1位なのか
ジョーダンの資産の大半は、現役時代の年俸ではない。最大の源泉はナイキとの関係だ。ナイキの中の一ブランドである「ジョーダン・ブランド(エア・ジョーダン)」は、彼の引退後も毎年莫大な売上を生み続け、その一部が印税としてジョーダンに入り続けている。
さらにジョーダンは2010年にシャーロット・ホーネッツのオーナーになり、2023年に大半の株式を売却して巨額の利益を得た。つまり彼の富は「選手として稼いだ」ものではなく、「自分の名前とビジネスの判断で増やした」ものだ。これがランキングのトップを独走している理由になる。
“実業家タイプ”が上位を占める
2位のマジック・ジョンソンは、引退後に映画館チェーンや飲食フランチャイズ、さらにはMLBドジャースなどの球団保有グループへの出資で成功した、NBA屈指の実業家だ。スター選手というより、もはや一人の経営者として知られている。
3位のジュニア・ブリッジマンは、選手としての知名度はトップクラスではない。それでも引退後にレストランチェーンやコカ・コーラのボトリング事業を展開し、数千店規模の経営者になった。「年俸ランキングなら上位に来ない選手が、総資産では上位に来る」——この逆転こそ、引退後のビジネスがいかに大きいかを物語っている。
現役でビリオネアになったレブロン
レブロン・ジェームズが特別なのは、まだ現役のうちに資産10億ドルを超えた点だ。これは過去の名選手にはなかなか見られなかったことで、年俸の高騰に加え、ナイキとの生涯契約、メディア・制作会社、飲料ブランドへの早い段階での投資などが積み重なった結果だ。
言い換えれば、レブロンは「引退後に稼ぐ」という従来のパターンを、現役のうちから前倒しで実現している選手と言える。今後さらに資産を伸ばせば、いずれジョーダンの記録に近づく可能性もある。
注意点
ここで挙げた金額はいずれも推定値であり、ForbesやCelebrity Net Worthなど出典によって数字が異なる。非公開の資産や投資も多いため、特に5位以下は順位が入れ替わりやすい。
それでも全体の傾向ははっきりしている。NBA選手の総資産は、コートでの活躍そのものより「その名前とお金をどう運用したか」で決まる。ジョーダンが象徴するように、最後にものを言うのは年俸ではなくビジネスだ。