マサイ・ウジリ
デローザンを出してカワイを獲る。感情的には難しい決断を実行し、トロントに初優勝をもたらした勝負勘を掘る。
良いチームを、優勝できるチームに変える難しさ
ウジリの代表作は、2018年のカワイ獲得だ。デマー・デローザンはラプターズの顔であり、ファンからも愛された選手だった。それでもプレーオフでレブロンの壁を越えられない現実があり、ウジリは感情よりも優勝確率を選んだ。
この決断が難しいのは、失敗すれば球団の信頼を失いかねなかったからだ。カワイは契約最終年で、長期残留の保証はなかった。だがウジリは、1年でも本気で頂点を狙えるなら勝負する価値があると見た。
カワイだけでなく、周辺の形も整っていた
2019年のラプターズは、カワイ一人のチームではない。ラウリー、シアカム、ガソル、イバカ、ヴァンブリート、アヌノビーら、守れて判断できる選手が揃っていた。ウジリはスター獲得の前から、優勝に耐えられる骨組みを作っていた。
トレード期限でガソルを加えた動きも重要だった。エンビード対策、ハーフコートでの判断、守備の整理。派手な得点補強ではなく、プレーオフで必要になる穴を埋めた補強だった。
フロントの仕事は“嫌われる決断”をできるか
ウジリの評価は、カワイの一手だけで決まるわけではない。ナゲッツ時代のメロ・トレード処理、ラプターズでの育成基盤、アフリカ出身者としての国際的な視点も大きい。
ただ、彼を名GM枠で語るなら、やはりデローザンを出した決断は外せない。ファン感情を理解しながら、それでも優勝への窓が開いた瞬間に踏み込む。NBAで頂点を取るフロントには、その冷静さが必要になる。
この記事はNBA.Navi編集部が作成・更新しています。